仁王像の頭の中にミツバチの“巣”が…
仁王像の頭の中 ミツバチの“巣”が…
およそ30年にわたって仁王像の中に巣作りしていたミツバチ。25日、仁王像の修復作業のため、「ミツバチの移動作戦」が行われました。
邪悪なものを追い払うため、にらみをきかせる仁王像。口をつぐむ吽形像と、口を開ける阿形像がありますが、奈良県にある當麻寺の阿形像には追い払えなかったものがあります。
作業員
「結構ね、像内にいっぱいいるんです」
阿形像の開いた口から出入りする大量のミツバチです。
住職
「大体30年くらい前かなと思いますけどね。最初は共存してくれてましたのでね、仁王さんと共に」
およそ30年にもわたり、仁王像の中で巣作りしていたというミツバチ。しかし、経年劣化による仁王像の修復作業に伴い、25日、巣の除去が行われることとなったのです。
ただ、ミツバチといえば…
住職
「ハチの減少というのは非常に生態系にも影響しますので、殺虫行為はしない」
駆除ではなく、移動する作戦です。
頭部が持ち上げられると、現れたのは大きな巣。数え切れないほどたくさんのミツバチが潜んでいました。
専門家などが煙でハチを遠ざけ、大きな巣が次々と取り除かれていきます。
Q.(仁王像の中は)ミツバチにとってすみやすい環境?
ミツバチの専門家
「そうそう。見たら分かるように一等地じゃないですか」
雨風を避け、出入りもしやすいため、ミツバチにとって最適な環境だったという阿形像。
ミツバチの専門家
「吽形は口閉じてるから入れないじゃないですか」
住職
「(ミツバチに)新しい場所を見つけていただいて、また巣を作っていただけたらいいなと思ってます」
寺は、ミツバチが迷わないよう、新たな巣箱などを用意しているということです。