「緊急事態」再延長で…休業要請どうなる?
5月末が期限だった9都道府県への緊急事態宣言が、6月20日まで再延長される方針となりました。政府は要請の一部を緩和したい考えですが、飲食店などの我慢は長引きそうです。夜の繁華街への人出が増えているため、専門家はリバウンドを懸念しています。
■飲食店・百貨店・映画館「要請」は
有働由美子キャスター
「緊急事態宣言は延長の方針となりましたが、気になるのは、休業要請がそれぞれどうなるかという点です」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「政府としては、基本的には今の対策を続けるものの、緩和できるところはしたい、という考えです。お酒やカラオケを提供する飲食店への休業要請は継続する方針です。厚労省の幹部も『まだ難しい。お酒の場が感染のかなり大きなきっかけになっているのは間違いない』と話しています」
有働キャスター
「飲食店の皆さんには厳しいですが、まだ我慢が続くということになるのですね」
小栗委員
「そうですね。百貨店などの大型施設については、東京都は独自で休業要請を出していますが、政府としては夜8時までの時短要請は継続となりそうです。ただ官邸関係者の中には、『これがどれだけ意味があるのか』と疑問を呈する声も上がっています」
「映画館にも東京都などが休業要請をしていました。都の幹部によると、政府は緩和させたい考えで、内々には『平日は時短営業、土日は休業にすればいい』という話があったそうです。実際にどういう要請の内容にするかは自治体の長が決めますが、幹部は『政府との調整が必要になる』と話していました。ギリギリの調整が続けられています」
■宣言延長後も…繁華街の人出「増」
有働
「個人的には、映画館では誰とも話さないので大丈夫なのではと思うのですが、やはり、これだけの措置が要るのでしょうか」
小栗
「専門家が懸念しているのは、夜の人出です。厚生労働省の専門家組織『アドバイザリーボード』の資料を基に、東京の繁華街の滞留人口(夜8~10時)の推移をグラフで見ると、緊急事態宣言が始まった4月25日から急激に減っています。ところが、ゴールデンウイークが終わった5月9日ごろからまた増え始めています。宣言が延長期間に入った5月12日ごろからも夜の繁華街に出る人は増え続けていて、専門家は『早い段階でリバウンドする可能性が高い』と警鐘を鳴らしています」
■廣瀬さん「持ち帰りで表情明るく」
有働
「ゴールデンウイークが終わるころにかけて、皆さん本当によく頑張って我慢したと思うのですが、この我慢も長く続くと難しいということかなと思います。飲食店の皆さんも、本当に長く我慢が続いています」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「飲食店など苦しい業界を支えていくことは難しい(ことだ)なと思いました。先日、近くの飲食店に行って、お酒を飲めないので、『買ってテイクアウトして、家に持って帰る』と言ってお店の人にお願いしたら、顔がパッと明るくなりました。額は小さくても、買って支えるという姿勢を見せるのも、大事なことだなと思いました」
有働
「気持ちを支えるということもあるでしょうね。お店の方にとってはいつからフルで(営業)できるのか、先の見通しがあれば頑張れるということもあると思います。解除までのスケジュール感を、そろそろ見せてくれてもいい時期ではないでしょうか」
(5月27日『news zero』より)