「闇バイト」に応募してしまったら……すぐ相談を 警察庁「確実に保護します」 連絡手段・ハッシュタグ・仕事内容に注意
全国で深刻化する、「闇バイト」による犯罪。応募したものの抜けようとして警察に相談し、保護される事例が相次いでいます。関わってしまったと思ったら、すぐ警察に相談することが重要です。巧妙化する求人の投稿を見分けるポイントなどを考えます。
藤井貴彦キャスター
「『闇バイトを抜けようとしたら暴行を受けた』。11月中旬、20代の男性から110番通報があり、警視庁が男性を保護し、安全を確保したことが分かりました」
「これは勇気を出して助けを求めたケースだと思いますが、一度闇バイトに手を染めてしまうと、実際にこうした危険に遭うこともあるということですね」
「10月18日~11月7日の3週間で、闇バイトに応募して『やっぱり怖くなった』などとして警察に相談し保護されたケースは(全国で)46件ありました。このうち半数以上を10代~20代が占めているといいます。では、警察に相談したらどう守ってくれるのでしょうか」
「本人の意向や緊急性によって方法は変わるということですが、警視庁によると、例えば本人たちに居住先からの避難を促す、必要があれば一時避難先としてホテルなど宿泊施設を紹介することもあり、その場合は公費助成が受けられることもあるそうです」
「仕事などの関係で避難するのが難しい場合は、周辺のパトロールを強化するケースもあるということです」
「警察庁は『相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します』と呼び掛けていて、闇バイトに関わってしまったと思ったら一刻も早く、相談ダイヤル『#9110』に電話してほしいとしています」
藤井キャスター
「こうしたところにぜひ相談して後戻りをしてほしいと思いますが、まずは闇バイトに関わらないことが大切ですね」
小栗委員長
「ただ、最近は闇バイトかどうかを見分けるのも難しくなっているので注意が必要です」
「電話受付の求人の投稿で比べてみます。Aは『時給1400円~』、Bは『今だけ最大報酬30%差し上げます』『#ホワイト案件』などと書かれています。どちらが闇バイトか分かりますか?」
篠原ともえさん(デザイナー/アーティスト『news zero』水曜パートナー)
「高給なので、Bが少し怪しいかなと思います」
小栗委員長
「そうです。Bには『限定3名様5万円~』などと高額な報酬が書いてあります。『#UD』ともあり、Uが受け子、Dが出し子を示しています。電話受付の仕事とあることから、特殊詐欺のかけ子を募集している可能性があります」
「また連絡のやり取りがDM(=ダイレクトメッセージ)という点も注意が必要だということです」
「これは、人材サービス事業などを手がけるディップが、高校生に『どちらが闇バイトの投稿か』と質問したものから抜粋したものです。同社によると、闇バイトを全て見破った人は約2割にとどまったというデータもあります」
藤井キャスター
「もし闇バイトに引っかかってしまったと思ったら『#9110』に相談してもらいたいと思いますが、引っかからないためのポイントはありますか?」
小栗委員長
「闇バイトに詳しい犯罪ジャーナリストの石原行雄さんに聞きました」
「仕事内容が『○○するだけ!』などあいまいで具体性に乏しいケース、最初はDMでやり取りをし、早い段階で秘匿性の高いテレグラムなどのアプリをインストールさせられるという点があったら、『ほぼ100%闇バイトだ』と考えてほしいと指摘しています」
篠原さん
「クイズをやってみて、少し興味がわく気持ちになってしまったことが怖くてショックでした」
藤井キャスター
「本当にこういうアルバイトがあるなら、やってみたいと思いますよね」
篠原さん
「『自分はだまされない』と思っていました。一度怪しい情報がないか立ち止まってみる、相談窓口や周りの人に相談してみる、そういう出口があることを覚えておいてほしいなと感じました」
(11月20日『news zero』より)