介護度高い人も安心 デイサービス集団接種
介護度が高く、自力で接種会場に向かうことができない高齢者を支援しようと、デイサービスで集団接種をする取り組みが始まっています。
◇◇◇
車が向かった先にいたのは、松好香代さん(84)。難病で歩くのが困難だという松好さん。週に3回、デイサービスに通っています。高齢者が自宅から通い、入浴や食事などを行うデイサービス。
この日、始まろうとしていたのは、「(午後)1時からワクチンですので」と、新型コロナワクチンの集団接種。高齢者の接種を効率的に進めようと地域の医師らに来てもらい、利用者11人にワクチンを打つのです。
看護師「こんにちは~。松好さんワクチン打ちますね」
ワクチンは希釈などを済ませ、すぐに打てる状態です。
看護師「ちょっとちくっとしますよ」
松好さんも、無事に1回目を接種することができました。
職員「安心ですか?やっと打てて」
松好香代さん(84)「うん」「(Q 痛くなかったですか?)痛くないです」
介護度が高く、自力で市の接種会場に行くのが難しい高齢者たち。顔見知りの人たちと一緒に接種できることも安心につながるといいます。
ラピオン・柴田三奈子代表「(介護度の高い人が)ワクチンを打つのってすごくハードルが高いので。在宅で生活している方々がワクチンを打ちやすくなればいいなって」
こうした集団接種で課題の一つとなるのが、急なキャンセルの対応。この日も。
柴田三奈子代表「今日コロナワクチンを接種する日になってて、確認の最終電話なんですけど。後日の方がいい?」
この日接種予定だった男性。体調が悪く見送りに。このままではワクチンが余ってしまいます。
柴田三奈子代表「どうしようかなあ。でも打てるのはトクさんしかいないんだよ」
後日接種予定だった別の男性に変更できないか。
医師「やめておいた方がいいかもな。アレルギー反応がちょっと強く結構出ちゃってるから」
接種は難しいということで、次の手を探ります。
看護師「予定から見ればさ、たとえばだよ、明日行くはずだった高山さんとかと交代して、今日行くから」
看護師が提案したのは、自宅で訪問診療を受ける女性への接種。
柴田三奈子代表「(ワクチン)もつ?」
看護師「もつもつ。だって1時に溶かしてるから。(期限は)6時間だから」
訪れた先は1週間後に接種予定だった86歳の女性。
看護師「今日ね、急きょ打てない方がいて」
無事に接種できました。
急きょ接種した女性「(接種できて)よかったです。早い方がいいと思ったからね」
康明会病院・大水智恵看護師「(当日接種できない人の)想定はしていたんですけれども、やっぱり(接種できない人が)出て、ちょっと一瞬焦りましたけどね」
さらに、もう1本余ったワクチンも、訪問診療を受けている別の高齢者に接種し、無駄にせずに済みました。デイサービスの場や自宅への訪問を組み合わせることで、自力で接種会場に行きにくい高齢者への接種がさらに広がりそうです。