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梅雨時の“食中毒” 注意するポイントは?

2021年6月16日 21:24
梅雨時の“食中毒” 注意するポイントは?

今の時期、食中毒も心配される中、家で試す人が増えている低温調理にも危険が潜んでいます。

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東京・赤坂にある洋食店。以前からテイクアウトにも力を入れていますが、特に梅雨から夏にかけての暑い時期、食中毒対策に気を配っているといいます。

赤坂・津つ井 木下陽平副料理長
「生ものだったり、夏になると悪くなりやすいので、出前やテイクアウトではちょっとご遠慮していただいている」

洋食の定番であるオムライス。店内での飲食用には生のトビウオの卵などを使ったソースをかけている一方、テイクアウト用の商品では食中毒対策としてトマトソースに変更しています。

また、ハンバーグに半熟の目玉焼きをのせたテイクアウト商品は渡す直前に調理。その上で「早めに召し上がってください」と声かけしているということです。

一方、ミシュランガイドのビブグルマンにも掲載された都内のラーメン店。チャーシューには豚肉の肩ロースを使用。近年、ラーメン業界でブームとなっている“低温調理”を行っているといいます。しかし…

らぁ麺やまぐち 山口裕史さん
「正しく知識を持って(低温)調理しないと食中毒の危険があります」

そこで、実際に低温調理の様子を見せてもらいました。

らぁ麺やまぐち 山口裕史さん
「気体は熱伝導が悪いので、抜いてあげると直接お湯の熱が伝わるので」

空気を抜いて密封します。続いて、ぬるめのお湯の中に肉を入れます。厚生労働省のガイドラインに従い、肉の中心部が63℃になってから30分以上加熱するといいます。

ゆっくりと火を通すため5時間ほどかかるということです。

試しに通常より短い1時間の加熱で肉を取り出すと…

らぁ麺やまぐち 山口裕史さん
「加熱が不十分」

厚労省のガイドライン通りに調理した肉と比べると、加熱が不十分なものは生っぽさが残っていることが確認できます。

コロナ禍で、家でも低温調理を試す人が増えていますが、専門家は…

(食の安全を指導する)ロイドレジスタージャパン 今城敏取締役
「(低温調理は)60℃帯というギリギリ微生物が増えるかもしれない温度を狙うので、温度を測るのを1回はやってみることが必要」

「news every.」は実際に温度管理を行い、巣ごもり生活で関心が高まっている鶏のハムを作りました。

お湯の温度は63℃前後をキープ。鶏肉の中心部の温度はどう上がっていくのか調べると、10分後に「およそ42℃」。30分後には「およそ58℃」。そして55分後…

「ようやくお肉の中心部、63℃以上いきました。ここから30分は火を通す必要があります」

また、専門家はこんなリスクを指摘。

(食の安全を指導する)ロイドレジスタージャパン 今城敏取締役
「(生の)鶏肉を扱ったまな板・包丁でキャベツの千切りを切ったりして、このサラダの部分に(食中毒菌が)残っていて」

調理器具の衛生管理にも注意が必要です。