都の酒提供“4つの案”再開準備の飲食店は
沖縄県をのぞく9都道府県での緊急事態宣言解除を前に、17日夜も街では酒を飲む人たちの姿が見られました。その酒提供をめぐって、政府は、17日夜、条件付きで酒の提供を午後7時までと緩和することを発表しました。これについて飲食店は…。
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菅首相は、17日午後5時すぎ、「緊急事態宣言については、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県について、6月20日をもって解除すること」を発表しました。
今月20日までで「宣言解除」が決まった東京。しかし、17日夜も街には、午後9時をすぎても、飲んだり、マスクをつけずに大声で話したりする人々の姿がありました。
宣言解除について、街の人からは、「緊急事態宣言も出たり解除されたりで、曖昧な感じになっちゃってる」という声や、「オリンピックをやりたいなら、オリンピックくらいまでは(宣言を)延期した方がいい」という声が聞かれました。
都内にある居酒屋は、「酒提供なし」で宣言のなか営業を続けてきました。宣言解除をめぐり最大の焦点だったのは酒提供NGが緩和されるかどうか、居酒屋店長は、菅首相の会見を見守ります。
菅首相
「感染防止策の徹底などの要件を満たす店舗では、19時まで提供できることとします」
居酒屋店長は「飲食業界に対応の配慮を言ってくれたのはありがたいけど」と、菅首相が酒の提供緩和に言及したことにひと安心しました。しかし、最終的に判断するのは東京都で、まだ決まりではありません。
居酒屋店長は「今のところこの可能性があるのかなと、待ちきれない遠足の準備する子どもじゃないですけどね」と話していました。
実際どうなるのか、判断する都の小池都知事は「きょうにも都としての措置を決めておきたかったんですが、18日に繰り延べさせていただいております」と述べました。
17日は示されませんでしたが、都は酒の提供について、以下の4つの案を検討しています。
1.客の人数を1人や2人に限る案
2.酒類の提供を午後5時から7時に絞ったり、滞在時間を限る案
3.都による感染防止策の点検を受けた店に限る案
4.さらに酒類の提供を認めない現在の措置を延長する案
この案に、居酒屋店長は「3、4人以上の客になると、盛り上がると声がどんどん大きくなる。効果的でいいと思う。はやく、どっちか白黒つけてほしい」と話していました。
ノンアルコールを注文していた客からは、「2.午後5~7時」の案について、「私個人としては十分」という声や、「短い、短いですね。やっぱり」といった声が聞かれました。
別の居酒屋店長は「きついです。5時にお店に来られて7時に帰る人って、なかなかいないと思う。お酒が出せなくて、何人も何人も逃がしている状況で苦しい」と話していました。
4月末から休業を続ける都内のドイツビアレストランは、宣言解除で酒の提供ができることを見こして、再開の準備を進めているといいます。
ドイツビアレストラン代表は「あした厨房の仕込みなんかは、進めていくので、また酒がダメとなると仕込んだものが、またロスになっちゃうんで」と話していました。ドイツから取り寄せた生ビールを保存するため、休業中も冷房はかけたままです。
都が検討している4つの案については─。
ドイツビアレストラン代表
「(1.客1人や2人)家族で来た人はどうするんですかね。お父さんが家族を連れてくるケースが非常に多い。3人だからお酒は出せませんというのも」
「(2.午後5~7時について3時間と2時間だと?)全然違いますね。お酒あっての料理なので」
「(3.点検済みの店)こちらは優秀な社員がいるので、最新の(ステッカー)をいただいている」
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都内にある朧酒店は、自転車で配達に向かっていました。実は、宣言解除を見込んで、ここ数日注文が増えているといいます。17日、届けたのは、いまは休業、来週、営業再開をめざす店でした。この店からの注文は実に“2か月ぶり”だといいます。
朧酒店・店主は「明日も数件(注文)いただいていますし、いよいようちの作業も再稼働できるなと」と話していました。
現時点では「酒提供NG」が続く可能性もまだありますが…。
朧酒店・店主は、それについて「目の前真っ暗になりますよね。この2か月間、どれほど苦しい思いをしてきたかということもあります」と言いました。
兵庫県は具体的な方針を決めました。まん延防止の地域については、酒提供は午後7時までとしたうえで─。
兵庫県・井戸知事
「土日祝日については、酒類の提供を控えてもらう」
大阪府は、一定の感染対策を徹底している店から酒提供をOKとするかどうか、18日、決めるとしています。
これについて、大阪・ミナミでは「兵庫みたいに時間決めてやってもらうほうが、お酒をメインにしている店とかもあるので」という声や、「行く人がきちんとコロナ対策をするっていうのが必要なんじゃないか」といった声などが聞かれました。
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政府は、今月20日で宣言を解除する東京や大阪など9都道府県について、広島と岡山を除く7都道府県を「まん延防止措置」に移行します。また、沖縄県だけは、宣言を来月11日まで延長することが決まりました。
その、沖縄県では、「宣言延長」について─。
沖縄県民
「ただまたかって」
「まあいいんじゃないですか」
「やるならやるでちゃんときっちりやった方が」
このような声が聞かれました。
17日の沖縄の感染者は97人です。ただ、病床使用率は高い状況が続いています。
沖縄県・玉城知事は「沖縄県においては、まだ(新規感染者数など)この数値の回復をはかる必要がある、という判断だと受け止めています」と述べました。
県立学校の臨時休校は、今月20日で終了する一方、酒類を提供する店舗への休業要請や、飲食店への時短要請などは継続しています。県外から訪れることも、引き続き自粛を求めます。
沖縄のホテルは、これからのシーズン、多くの観光客でにぎわうはずですが…。ホテルにはすでに影響が出ていました。
ノボテル沖縄那覇の総支配人・坂本公敏さんは「今回の延長の部分では顕著に(影響が)出始めたかなというところがあって、6月だけでも50~60ルームキャンセルが入って」といいます。
7月の予約状況も、埋まっているのは20%ほどで、去年の夏に続き、厳しい状況だといいます。
ノボテル沖縄那覇の総支配人・坂本公敏さんは「(宣言延長が)特に沖縄だけという形のものになっていますので、早く沖縄が安心だという形の発信をしていただけるように、ぐっと我慢して、それ以降の予約が反発してぐっと増えることを期待したい」と話していました。
6月17日放送『news zero』より。