上野動物園で双子パンダ誕生!交代で飼育も
上野動物園で23日、パンダの赤ちゃんが誕生しました。しかも、双子でした。
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■元気いっぱい!ピンク色の小さな赤ちゃん
出産の様子を撮影した映像では、23日午前1時3分、まずは1匹目が確認されました。鳴き声が聞こえます。小さく動いているのが赤ちゃんです。お母さんの「シンシン」は、すぐに上手に抱っこしています。そして1時間半後、午前2時32分に、2匹目を出産しました。シンシンの足元に小さく見えています。
近くで撮影された赤ちゃんは、元気いっぱい動いています。体重は計測できたのが1匹だけですが、124グラムで、性別はどちらもまだ、わからないそうです。
双子のお姉さんにあたる「シャンシャン」が生まれて2日後の大きさは、手のひらに乗るサイズ。体長14センチくらい、体重は147グラムで、野球ボールと同じくらいの重さでした。
ジャイアントパンダの赤ちゃんは、ピンク色で非常に小さい状態で生まれます。生まれた直後は、とにかく健康管理が優先なので、性別の判断はしばらくたってからになります。シャンシャンの時は「生後10日」の身体検査でメスだと確認されました。このころになると、パンダらしい黒い模様も見えはじめます。
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■上野動物園“双子”は初めて 交代で子育て
上野動物園に今いるパンダは、オスの「リーリー」・メスの「シンシン」どちらも15歳です。シンシンは最初、2012年に出産しましたが、赤ちゃんは6日後に死んでしまいました。その5年後、2017年にメスの「シャンシャン」が生まれました。シャンシャンは今月12日に4歳になったばかり。そして23日、双子の赤ちゃんが生まれました。シンシンにとっては3度目の出産です。シャンシャンは、双子の4歳上のお姉さんになったというわけです。
動物園のみなさんの苦労があっての赤ちゃん誕生ですが、これからが大変です。実は、新型コロナウイルスの影響で不安材料があります。通常は赤ちゃんが誕生する際、中国から専門家が来日するのですが、今はコロナで難しいそうです。さらに、上野動物園で“双子誕生”は初めてのこと。動物園としては経験がない双子の育児をすることになります。
パンダが双子を産むのは珍しいことではなく、45%くらいの確率で生まれるので、動物園としても、可能性は視野に入れていたのですが、生まれるまでわからなかったそうです。ただ、双子の子育ては非常に難しいということです。というのも、自然界での母親パンダは、基本的に「1匹しか育てない」といわれています。
では、どうするのかというと、飼育員が1匹ずつ赤ちゃんを交代させます。実際、23日には、2匹目が生まれて40分後、飼育員がチャンスをうかがって、すっと手をのばして赤ちゃんをとりあげました。とりあげたあとは保育器に入れて、残る1頭がお乳を飲み、飲み終わったら保育器から出した1匹と交代させます。これを、タイミングをみながら、24時間態勢で数か月、続けるそうです。
繁殖のベテランの助言を得ながら、がんばってほしいです。パンダの赤ちゃんの公開はまだ先ですが、ホームページで定期的に成長の様子が見られるそうです。
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■名前は応募で?いつ決まる
そして、「双子パンダの名前」ですが、シャンシャンの時は生まれて1か月を過ぎたころ、名前が募集されました。ルールは「カタカナ表記で、応募は1人1回まで」といったかたちだったのですが、32万件を超える応募がありました。
では、どうしてシャンシャンに決まったのでしょうか。「シャンシャンがいい!」という応募は、およそ5000件。数では8位でしたが、商標や著作権で問題があるものがはじかれて、シャンシャンになりました。今回、双子ですから、2つ考えないといけませんね。
ジャイアントパンダの赤ちゃんは非常に未熟な状態で生まれてくるので、特に生後1週間は緊張感が続くとのこと。上野動物園として初めての双子で、さらにコロナ禍での飼育は想像以上の苦労があると察します。温かく見守りつつ元気に育ってほしいと願うばかりです。
(2021年6月23日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)