実は外来種“白鳥の湖”にコブハクチョウ
山梨県の河口湖の湖畔で、愛らしい姿をみせているコブハクチョウのヒナ。実は外来種で、河口湖では去年初めて繁殖が確認されました。千葉では農作物への被害もでていて、どう共存していくのか、模索が続いています。
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まさに「白鳥の湖」。富士の麓、山梨県山中湖に多く生息しているコブハクチョウ。優雅に浮かぶその姿は観光客を魅了するスポットとなっています。
名前通り、顔には大きなコブがあり、一般的なハクチョウと比べ、オレンジ色のくちばしが特徴です。
生息地域は全国各地と幅広く、こんなところにも。東京都心、皇居のお堀です。専門家によると、コブハクチョウは外来種にあたり、およそ70年前、ここ皇居で初めて確認されたといいます。
その後も何度か日本に持ち込まれ、繁殖したとみられているコブハクチョウ。山梨県の河口湖では、最近。
河口湖を訪れた人「赤ちゃんがいるよというから見に来た。かわいいわね」
2か月前にたくさんのヒナが誕生。家族一緒に行動する様子はなんとも愛くるしい!のですが、ある問題も。
河口湖のコブハクチョウ調査メンバー「元々日本にいるはずがない鳥なので。生態系への影響というのもあると思います」
外来種ゆえに懸念される生態系への影響。観光への期待もある一方。専門家などは県の許可の下、数を管理するために先月から足輪を取り付け追跡調査を始めました。その理由は。
コブハクチョウ調査メンバー「数が増えてしまっている地域では農作物の被害が発生しています」
その被害が起きているのが、千葉県にある手賀沼周辺。あの巨大な鳥、ミナミジサイチョウが周辺に現れたことも記憶に新しい湖です。相次いでいるという農業被害。コブハクチョウの捜索へ。
すると、すぐに発見!時折、威嚇しながら草をむしゃむしゃ。さらに!
JAちば東葛・井上慶太さん「大体聞くところによると100羽くらい。この量は僕もちょっと初めて見る」
コブハクチョウの溜まり場のような場所も。周辺の田んぼでは。一角だけ稲がまばらになっています。食べた形跡でしょうか。羽のようなものも残されていました。
県内の農業事務所によると、2019年には、およそ800万円に上っているコブハクチョウによる農業被害。現状、むやみに駆除することはできないため。
井上慶太さん「増えないのが一番なので随時数を観察して管理して。一歩ずつ対策を進めていく」
共存するための方法が模索されています。