「受けないとダメ」“ワクハラ”訴える声…
夏の行楽シーズンを前に、箱根の温泉旅館には、ある悩みが─。
箱根の旅館支配人
「接種に向けて、ある程度シフト組みも行っておりましたので、また見直しが必要になってくるのかな」
ワクチンの配送が間に合わず、今月10日以降、クリニックで予定していた従業員の接種が厳しい状況になっていました。
箱根の旅館支配人
「スケジュールが組みづらいといったところはありますので、速やかに確定していただいて、接種できるような環境ができるといいなと」
ワクチン不足は、都内のクリニックでも。
ワクチン不足に悩むクリニック院長
「こちらがおととい届きました。10バイアル、10本のワクチン」
2週間分として届いたワクチンの量はわずか、60回分でした。
ワクチン不足に悩むクリニック院長
「朝からずっと電話が鳴りやまない状態で、すぐに埋まってしまいました。肩すかしを食らってしまったようで、患者さんたちに『打って差し上げられなくてごめんなさいね』と。とにかくワクチンをいただきたいです」
◇◇◇
一方で、新たな問題も出ています。
日本弁護士連合会・川上詩朗弁護士
「不利益な処分を与えると、一方的に告げながら接種を勧めることは、ひとつのハラスメントになってくる可能性がある」
指摘したのは、ワクチンハラスメントです。接種が先行する医療従事者などを対象に5月に行った電話相談では、“ワクハラ”を訴える声がありました。内容を見てみると─。
1.院長から職員へ
「(ワクチン接種を)受けないとダメだよ」
2.介護施設から職員へ
「打ちたくないのであれば、ここでは働けない」
3.看護学校の教員から看護学生へ
「接種をしないと実習を受けさせられない」
また、接種の意思を確認するチェックシートが職場に張り出された例もあったといいます。
“ワクハラ”相談を受ける川上詩朗弁護士
「接種する・しないは任意であって、法的に義務づけられているわけではない。接種しないことを理由にして、不利益な扱いを受けてはならない」
接種の予定なしの大学生(20代)
「体が痛いとか、熱が出ちゃうとか。普通にアルバイトとかしてるので、そういう日常生活に支障が出たら嫌だなと」
一方で、早く打ちたいと話す人も─。
接種の予定ありの会社員(20代)
「仕事柄、お客さんと接するので。あとは地方に行く仕事でもあるので、打ったという証明じゃないが、他の人と会うときに話しやすい」
7月1日放送『news zero』より。