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被害女性「怒りと恐怖と心配が一気に…」 同意なく避妊しない「ステルシング」の実態 世界では犯罪として認められるケースも

2022年6月3日 17:38
被害女性「怒りと恐怖と心配が一気に…」 同意なく避妊しない「ステルシング」の実態 世界では犯罪として認められるケースも

性行為のときに相手の同意がないのに避妊しない「ステルシング」。性暴力のひとつです。この被害に遭った20代の女性を取材しました。

■誰にも相談できなかった被害

“ステルシング”に遭った20代女性
「性行為をしている最中に、コンドームを外された。怒りと恐怖と心配が一気にきた感じ」

岩本乃蒼アナウンサー
「避妊をしていなかった、しかも自分の知らないところでというのは…」

女性
「裏切られたっていうか、自分は安心して相手に心を許しているわけじゃないですか」

相手の同意がないまま避妊をしない「ステルシング」という性暴力。妊娠や性感染症のリスクも大きく、女性は婦人科を受診しました。

「次の生理がくるまで1か月、ちょっとでも遅れているなと思うと『ヤバイヤバイ。絶対妊娠してるよ』『わー』みたいな。ずっと泣いていて一晩中。地獄みたいな1か月でしたね」

岩本アナ
「相手の男性にお話はされましたか?」

女性
「なんか『何が悪いの?』みたいな。『気持ちよかったでしょ?』みたいな」

岩本アナ
「周囲に相談は?」

女性
「誰にもできなかったです。自分が悪いと思っちゃったんで、恥ずかしいなと思っちゃったんですよ」

街でもステルシングに遭った複数の女性に話を聞きました。

「『えー』って思ったけど何も言えなかったです」
「男の力には勝てないじゃないですか」
「(膣外に)出せばいいじゃん、みたいなこと言ってて、病気(感染症)のこととか何も意識したことがない」

あるNGOの調査では女性の7人に1人が「避妊してほしいのにしてくれなかった」と回答。ただ、本当は嫌でも不安や恐怖から、抵抗しづらいと言います。

■「ステルシング」世界では?

ステルシングについて、 アメリカ・カリフォルニア州は性的暴行として法律で禁止。イギリスやオーストラリアなどでも犯罪として認められるケースも出ています。
  
日本ではステルシングを禁止する法律はありませんが、暴行や傷害の罪に問われる可能性もあるといいます。

ステルシングに関する相談も受けている団体では、相談コーディネーターがこんなアドバイスをしています。

「暴力だと思わない方が多いんですね。セックスをする同意イコールコンドームを付けないという同意ではないので。嫌だと思うことをお互いに確認し合うことが関係性を健全なものとして対等なものとして築くために一番重要なんじゃないかと思っています」

ステルシングなど同意のない性行為は「性暴力」だと事前にパートナーと確認し、もし被害にあったら、1人で抱え込まずに相談してほしいと言います。

被害を受けた女性は、あらためてこう訴えました。

「ステルシングっていう同意なく外した、外されちゃった。『これって暴力だよね』って言える世の中になっていったらいいと思います」

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