【作家・柚木麻子を取材】“性暴力撲滅” を原作者18人が訴えたワケ明かす 「加害を許さない映画業界に…」

映画業界で相次ぐ性加害やセクシュアルハラスメントの報道を受け、作家の柚木麻子さん・山内マリコさんら作家18人が、「原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」というステートメント(声明)を発表。文責を負う作家のひとり、柚木麻子さんに発表するまでの経緯や思いについて取材しました。
■“原作者” の立場から映画業界の性暴力・性加害撲滅を訴える
この声明がホームページに発表されたのは12日。「映画制作の現場での性暴力・性加害が明るみに出たことは、原作者という立場で映画に関わる私たちにとっても、無関係ではありません。(一部略)業界の内外を問わず、重く受け止めるべき」とつづり、「声をあげてくださった方々の勇気に応えたく、私たちは、連帯の意志を表明します」と、映像化へ許諾を出す “原作者” の立場から、映画業界で起きている性暴力・性加害の撲滅を訴えました。
賛同者には、原作が映画化されたことのある山内マリコさん(『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』)、柚木麻子さん(『伊藤くん A to E』)をはじめ、西加奈子さん、三浦しをんさん、湊かなえさん、村山由佳さんら18人の作家たちが、名を連ねています。
■作家たちで話し合い3週間で声明発表 “抑止力になれば”
以下、作家・柚木麻子さんのインタビュー
――どのような経緯で声明を発表することに至ったか
3週間前に映画界のセクハラ報道、性加害報道などを受けて、作家で話し合ううちに、全員の総意として発表することになりました。
――話し合いはどのような形で行われた
主に今はコロナ禍で海外に住んでいる者もいて、ネット上でのやりとりになり、この声明の文責を担当したのは私と山内(マリコ)ですが、非常にたくさんの作家の方の意見が入っています。
――他の作家の方も同じ思いを持っていた
コロナ禍でなかなか外出がままならず、これは協会とか団体の声明ではないので、もっと本当は賛同者が集まるのと思うのですが、急を要することですので、あくまでも賛同者の知人内という形で、できるだけ声をかけたつもりであることと、今回は映画業界での話なので、作品が映画化されている人だけに限ったのでこのような人数になりましたが、本当はもっと広く賛同者がいると思います。
もっともっと広くやればいいのではないか、とかもっと巻き込めばいいのでは、という意見があると思うのですが、3週間で個人でできるギリギリだったもので…。
――3週間でステートメントをまとめた
話し合ううちに、「原作者ってこういう時に何か言えないよね?」とか、じゃあ「契約で言えることはできるんじゃないか」とか。ハリウッドはそういうことがあります、みたいなことから、原作者の中でステートメントを出す、っていうのは “何か抑止力になるかな” という感じで、いつ誰がというより話し合っていくうちにそうなっていった形です。