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アメリカザリガニ 今後“釣り禁止”も…

2021年7月12日 20:57
アメリカザリガニ 今後“釣り禁止”も…

子どもたちが池や用水路で真っ赤なザリガニを釣る姿が、見られなくなるかもしれません。生態系に深刻な影響を及ぼしているアメリカザリガニについて、環境省は特定外来生物への指定を含め、規制を検討しています。

   ◇

週末の都内。

父親
「釣れた、釣れた!」

子ども
「3匹ザリガニ釣りました」

釣っていたのは今が繁殖シーズンの外来種・アメリカザリガニです。 

横浜市内の自然公園では、アメリカザリガニの釣り大会が開催されました。

母親
「つかんだ、食べた、食べた!あ!落ちた!」

その後、なんとかザリガニをゲットしたものの、今年から“ザリガニの持ち帰り”が禁止になっているのです。さらに…

運営スタッフ
「内容によっては(今後)ザリガニ釣りができなくなる可能性もあるので」

今後、「ザリガニ釣り」ができなくなる恐れも。そのワケが…

こどもの国・イベント担当 大當若菜さん
「特定外来生物に指定される方針だという報道を受け、ザリガニ釣り大会というのは大々的にやりづらくなる部分もある」

アメリカザリガニが「特定外来生物」に指定される可能性が出てきているのです。指定された場合は、飼育や販売などができなくなったり、規制の対象になったりすることがあり得ます。

背景にあるのはアメリカザリガニの「厄介な生態」です。

都内の井の頭恩賜公園で11日に行われていたのは“アメリカザリガニの駆除”。園内には170個もワナが仕掛けられていました。

ボランティア
「なかなか減らないなっていうのが実感ですね」

昭和初期に北米から持ち込まれ、全国へと勢力を広げた「アメリカザリガニ」。1回で200個以上卵を産むと言われているほど“繁殖力が非常に強い”生き物なのです。

この日は254匹を捕獲。(井の頭恩賜公園のアメリカザリガニの駆除数 2020年 約9000匹 2019年 約3000匹)

これまでに1万匹以上を駆除してきたといいますが…

ボランティア
「我々の活動と向こうの繁殖で追いかけっこ」

さらに、厄介なのがその「雑食性」。

ボランティア
「こういう風に切れ藻って言って、根っこの方で切られるので」

在来種のツツイトモなどの水草を切って食べたり、在来種のメダカなどを食べてしまったりすることで、水辺の生態系を脅かしているといいます。

公園は、“特定外来生物”に指定されることに期待を寄せています。

東京都西部公園緑地事務所・工事課 永田雅之課長
「法律で規制されるということは、強制力が出てくると思うので、具体的な動きにつながってくる部分も大きいと思うので、非常に期待している」

一方で、ザリガニを販売する店からは戸惑いの声も上がります。

全国およそ65万世帯で飼われているというアメリカザリガニ。白やオレンジなどに品種改良された観賞用なども扱う東京・足立区の店では、特定外来生物に指定されれば販売自体をやめることも考えているといいます。

さらに心配していたのが…

アートリバーマ 中田忠利代表
「『飼いたくない、引き取って』と言われた時、どう対応したらいいのか。逃がすのだけは絶対にしないでほしい」

規制が強化された場合、捨ててしまう飼い主が増えてしまうことを懸念しているのです。

環境省は8月にも専門家の提言をまとめ、飼育の在り方などについて検討を進めるとしています。

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