ウミガメから“プラごみ”海の危機知らせる
大阪市の観光名所「海遊館」。ここで暮らすアオウミガメが海の危機を知らせています。
水槽の中をゆらゆらと泳ぐ体長は40センチほど、体重およそ10キロのアオウミガメ。昨年11月、高知県沖で定置網に迷い込み保護されたといいます。
海遊館魚類担当飼育員・喜屋武樹さん「今までみてきたウミガメは、すぐにえさを食べてくれたけど、今回の個体は大阪にきてからもえさを食べず、おかしいなと思いました」
何も食べずに過ごすアオウミガメ。飼育員は排せつ物の異変に気づいたといいます。
海遊館魚類担当飼育員・喜屋武樹さん「最初は海藻なのかなと一瞬思ったけど実際みたらプラスチックごみだった」
レジ袋や農業用シートの破片のようなプラスチックごみが、アオウミガメの体内から排せつされていたというのです。その期間およそ1か月。
主に海藻などをえさにするアオウミガメは、水中で揺れるプラスチックのごみをえさと間違えて食べることがあるといいます。
海遊館魚類担当飼育員・喜屋武樹さん「(ごみは)消化できないので、えさを食べられなくなって、死んでしまうことは十分ある」
命の危機に直面していたアオウミガメ。今ではえさを食べて元気に過ごしているといいます。
海遊館では、環境問題を考えるきっかけになればと排せつされたプラスチックのごみなどの展示も検討しているということです。