東京の重症者最多…医療「災害時の状況」に
11日の東京の新規感染者は4200人、水曜としては最多。重症者は200人に迫り、過去最多となりました。
◇◇◇
11日午後8時。多くの人が集まり、列ができていたのは、24時間対応している民間のPCR検査センター。
スタッフ「結果は予約していただいたメールアドレスに送信いたします」
検査に来た理由は。
PCR検査に来た大学生(18)「実家に帰省したくてPCR検査受けたくて」
──家族に帰ると言ったら何て?
PCR検査に来た大学生(18)「やっぱり心配だということで『PCR検査ちゃんと受けてほしい』と」
PCR検査に来た建築業(31)「沖縄に行ったあと後輩が陽性だったんで。一週間一緒に通勤してたのでちょっとあれかなと思って」
──保健所には濃厚接触者とは認められてない?
PCR検査に来た建築業(31)「認められてないんですよね。車で一緒に仕事行っていたくらいで、自分が運転していて(感染した)後輩は後ろの席だったんで、窓も開けてた」
──でも怖い?
PCR検査に来た建築業(31)「一応自分がうつしていたら嫌だなって」
午後10時ごろになっても、お客さんがまだ並んでいます。11日だけで、およそ1000人が訪れたといいます。東京の11日の感染者は水曜最多の4200人。20代から40代が7割近くを占めています。
クラスターが発生していた大学の運動部の寮で新たに男子学生7人が感染。これで感染者は合わせて48人に。
感染力の強いデルタ株は新たに2012人の感染を確認。このうち1696人は感染経路が分かっていません。
気がかりなのが重症者の数で、10日から21人増え197人。2日連続で過去最多を更新しました。年代別では、40代、50代が多い一方、30代以下も合わせて20人と若い世代の重症者も。
東京都・小池知事「重症の方がもう200人近い数字です。40代が一気にきのうよりも9人増えています。ぜひとも基本的なところ(感染対策)をお守りいただくように徹底してお願い申し上げたい」
厚生労働省の専門家会議は、強い言葉で危機感をあらわに。
厚労省アドバイザリーボード・脇田座長「公衆衛生体制・医療提供体制が首都圏を中心に非常に厳しくなっていて、もはや災害時の状況に近い局面を迎えている。夜間に症状が出て救急車を呼んでもすぐには入院できないような状況にすでになりつつある。多くの命が救えなくなるような危機的な状況が危惧される。一刻も早くこの感染拡大を速やかに抑えることが求められます」
そのうえで、一般の人に危機感が共有できていないと指摘。
脇田座長「ご自分あるいは家族を守るために、今週から始まるお盆休み・夏休みの期間においては、県境を越えた移動・外出を控えて、できるだけ家庭で過ごしていただくことが必要です」
お盆休みをどう過ごすのか。街で聞くと。
お盆休み帰省せず・母親(30代)娘(2)「旦那の実家に帰ろうと思ったんですけど帰れない感じ。主人の母と父も60歳を超えているし、向こうも感染が怖いから帰れないというのはあります」
夫の父親からは「コロナもしばらくえらい事になりそうですね。若い人もご注意下さいね」とLINEで。実家に帰れない代わりに、娘3人の動画を送っていました。
母親(30代)「顔だけ見えるように。感染状況を見ながら(両親に)また次会えるのを楽しみにって感じです」
別の親子も、感染リスクを考え実家には帰らず。家でプールや、スイカ割り。そして、花火。お盆休みもステイホームだといいます。
お盆休み帰省せず・母親(30代)「夏休み中なのでちょっと退屈になっちゃいますよね。家の近くの公園とか行けるんだったらそういう感じで過ごしたいかなって」
お盆休み帰省せず・大学生(20)「まだワクチン打ち終わってないので、おばあちゃんの方から『来ないで』って言われています。次成人式なのでその時に会えるといいなって」
東京に4度目の緊急事態宣言が出てから12日で1か月。原宿は、密と言えるほど多くの人が行き交っていました。
高校生「水着買いに来ました。プール行こうかなと」「川遊びに行くので、感染対策しながら遊びたいなって」
感染の急拡大は各地で止まらず、大阪の1490人を筆頭に9府県で過去最多に。ほか、神奈川で1565人、埼玉で1227人など、全国の感染者は1万5812人と過去最多を更新しています。
また、17人の死亡を確認。重症者は1332人と10日から102人増加。1300人を超えるのは5月31日以来です。
(8月11日放送『news zero』より)