ファイザー“抗体量”3か月後4分の1に減
ファイザー製の新型コロナウイルスのワクチン接種後にできる、ウイルスに対抗するための抗体の量は、1回目接種の3か月後には、4分の1に減ったことがわかりました。それでも、自然感染で得られる抗体よりは多い量だということです。
藤田医科大学は、ファイザー製のワクチンを接種した職員209人について、新型コロナウイルスの発症や重症化を抑えるための免疫のもとになる抗体の量を調べました。
その結果、1回目接種後の抗体価は平均で11.8、2回目の接種後は245.4と大きく上昇しましたが、1回目接種の3か月後には、65.9と4分の1になっていました。
調査では、抗体の量は個人差が大きいこと、年代が若いほど多いこと、男性より女性の方が多い傾向がわかったということです。
これまでに海外でわかっている傾向と同じだということで、調査した土井洋平教授は、「2回の接種後にできる抗体価はとんでもなく高い。その4分の1に減ったといっても、自然感染でできる免疫からすると十分高い抗体価だ」として、ワクチン接種の意義を強調しました。
なお、今回は従来の株に対する抗体の量を調べたため、デルタ株に対する抗体はこれよりも低い可能性があるということです。
また、接種した人が感染するいわゆる「ブレイクスルー」感染について、土井教授は「まれにはある」とした上で、「海外の研究では、ワクチンで得られた免疫の記憶が、感染の刺激によってすぐに引き起こされて、抗体価が数日で上昇するとされている」と述べました。
そして、海外の別の研究では、「接種の6か月後でも、発症や重症化を予防する効果が示されている」と述べ、ワクチンを接種した人が感染することもあるが、軽症や無症状で終わることがわかってきていると説明しました。
土井教授は、抗体価が下がるとの結果をうけて、「接種してもしようがない」ではなく、接種によって重症化を防げる、入院を減らすことは大事だと強調しました。