重症者増え若者も危機感…接種会場に行列も
全国の重症者数が、連日、過去最多を更新する中、27日、都内にオープンした「予約なし」でワクチンを受けられる会場には、若者らが長い列を作りました。年齢に関係なく重症化する人が増え、若者の間にも危機感が広がっているようです。
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■都 4日連続で前の週より減少“ピークアウト”まだ早いか
27日から、新たに北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県が緊急事態宣言に追加されました。これで、宣言の対象地域は21都道府県になりました。
また、まん延防止等重点措置も、4県が追加されました。期間はいずれも来月12日までとなります。全国47都道府県のうち、33の都道府県が宣言か重点措置の対象となりました。
東京の感染状況ですが、ここ1か月の新規感染者数は、26日までは4日連続で前の週の同じ曜日と比べて減少し、過去7日間では前の週を上回ったのは、日曜日(22日)の1日だけでした。
ピークアウトした、と思うのは、まだ早そうです。都の専門家は「検査をすぐに受けられない事により、多数の患者が潜在している可能性がある」と指摘しています。
また、「このまま減少が続くのか様子を見る必要がある」としていて、「繁華街の夜間の人流は増加していて、学校も2学期が始まるため、感染者が再び増加する可能性がある」とみています。
■若者向け接種会場に“行列”…都の担当者も予想外
26日の新規感染者を年代別に見ると、20代、30代が合わせて47.3%とおよそ半数を占めています。10代以下もおよそ17.2%と増加傾向にあります。
こうした若者の感染の急拡大を受けて、東京都は27日から若者向けのワクチン接種会場を渋谷に開設しました。この会場では、16歳から39歳までの若者が、予約なしでワクチン接種を受けられるとしています。
受付開始は、午前11時50分からですが、午前9時の時点で行列ができていました。1日の接種人数は300人程度で、先着順に整理券が配られました。ただ、27日は、午前7時半の時点で接種枠の上限に達し、受付終了となりました。
接種できる女性(16)
「6時前ぐらいから並んでいます」
接種できる女性(16)
「人が多くて密があるかなって感じはするけど、それよりも受けることが最優先かなと」
間に合わなかった男性(25)
「仕事の関係で打たないといけなくて、来たんですけど、もういっぱいで。ここまでとは思わなかったので、びっくりしています」
都の担当者も、予想外の希望者の多さだったといいます。
この若者向けワクチン接種会場について、詳細を確認します。
場所は渋谷駅近くの区立勤労福祉会館です。対象は都内に住んでいる、または都内の学校・会社に通っている16歳から39歳です。使われているのはファイザー製のワクチンです。自治体から届いた「接種券」と「身分証」を持って行く必要があります。
期間は、27日から10月8日まで、時間は正午から夜8時までです。予約なしで受けられるはずでしたが、初日の27日は受けられなかった人も大勢いました。
空き状況などは「東京都設置ワクチン大規模接種会場」のツイッターでも発信しています。27日朝、枠が埋まったことも「上限に達しました」と、ツイートしていました。
都は、場所取りを禁止し、早めに来て並ぶことも極力遠慮してほしいと呼びかけていましたが、早朝から人が殺到しました。28日以降、「抽選制」に変えることにし、詳細が決まり次第、ツイッターなどで告知するということです。
■ワクチン接種に対する意識“変化”か…都が調査
高齢者以外の世代でも、少しずつワクチン接種率が上がってきていますが、ワクチン接種に関して東京都が行った意識調査が、新たに発表されました。それによると、この半年ほどで、人々のワクチンに対する意識に、多少の変化が出てきたことが読み取れます。
東京都が20代から70代に聞いたアンケートでは、「接種を受けようと思うか?」との質問には、医療従事者への接種が始まった今年2月には、「絶対に接種しない」と「おそらく接種しない」を合わせると、全年代では20.2%でした。20代の若者は、28.6%と3割近くに上っていました。
それが、先月中旬の調査では、全年代では12.7%と「接種しない」と答えた人が、7ポイント以上減少しました。さらに、20代では、2月には3割近くいましたが、先月は男女別のデータしか公開されていませんでしたが、いずれも20%を下回り、10ポイント近く「接種したくない」と答えた人が減っています。
その背景には、全国でワクチン接種が進んだことや、若者の感染や重症化が増えたことなどが影響しているのかもしれないです。
また、東京都が行った別の調査では、「ワクチンを必ず接種する」、「おそらく接種する」と答えた人の理由として、以下の回答がいずれも半数を超えていました。
・「周りの人や家族に感染させたくないから」 59.5%
・「安心して外出できると思うから」、「元の生活・社会に戻りたいから」 52.1%
・「接種の効果があるから」 50.1%
接種によって、自分だけでなく周囲や家族の感染を防ぎ、早く安心できる生活や社会を取り戻したい、という意識が表れているようです。
他にも、以下の回答などがありました。
・「新型コロナ 後遺症がこわいから」 42.3%
・「ワクチンパスポートを取得したいから」 15.8%
・「仕事上必要だから」 13.1%
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全人口に対するワクチン接種率は、ようやく4割に達しました。ただ、それでも、まだ打ちたくても打てていない人が、大勢、不安な気持ちで日々を過ごしているのも実情です。ワクチンに対する若者の意識も少しずつ変わりつつある中、1日も早く、1人でも多くの人に接種の機会が提供できるよう、体制整備が求められています。
2021年8月27日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より。