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「予約ナシ」ワクチン接種に…若者“殺到”

2021年8月28日 12:38
「予約ナシ」ワクチン接種に…若者“殺到”

全国で新型コロナウイルスの自宅療養者が10万人を、重症者が2000人をそれぞれ初めて超えました。東京・渋谷では27日、「予約不要」がウリの若者向けワクチン接種がスタート。希望者が早朝から殺到し、1日で予約制へ変更されることになりました。


■早朝から希望者の列「びっくり」

27日午前8時すぎ。東京・渋谷の歩道の半分を、人が埋め尽くしていました。交差点を挟んで、若めの男女が列をつくっています。終わりが見えないほどの長さです。

持ってきた椅子に座ったり、本を読んだり。地べたに座って待つ人もいました。

この日から設置された、新型コロナウイルスワクチンの若者向け接種会場への行列です。予約なしで受けられるため、早朝から希望者が殺到しました。

――何時から並んでいましたか?

接種に来た人
「(午前)6時前くらいから。けっこう人が並んでて、びっくりしました。実際コロナにかかったら、もっと病院とかが今大変だから(来た)」

当初は正午から受付開始の予定でしたが、朝7時半の時点で、集まった人が接種枠の上限に達したため、整理券を配ることになりました。

正午に来た人が、「えっ?えっ?12時からって…」と戸惑い、会場前で断られてしまう場面もありました。

接種できなかった別の男性
「今12時34分なんですけど、もう埋まってたんで、びっくりしましたね。こんなに並ぶとは思ってなかったっていう、見込みの甘さがあったので」


■接種まで8時間…28日から抽選に

朝5時から並び、整理券を獲得した女性は「来週から医療従事者になるので、『8月中に打ってくれ』と言われたんですけど、どこも埋まってたので、ここしかないかなと(思いました)」と言いました。

女性が見せてくれた、朝5時の会場前の様子の写真では、すでに長い列ができていました。待っている間の様子をLINEで母親に伝え、母親から「スゲーッ」「早起きは三文の徳だね」などとスタンプやメッセージが届いていました。

渋谷に女性が来てから約8時間。午後1時半ごろ、ようやく接種を終えました。

――ようやく一安心?
「そうですね。並んだかいはあるかなと思います。(家で)ゆっくりしようかなと思います」

東京都の小池知事は「28日以降、早朝からこうやって、ただただ皆さんが並ぶことがないように、抽選による受付の仕組みを検討しているところであります」と明らかにしました。

28日からは抽選になり、午前9時~10時半に会場に来た人全員に抽選券に配布し、午前11時半ごろに、接種時間を含めた抽選結果をLINEやTwitterで知らせるといいます。

――最初から抽選だったら深夜1時から並ぶ必要はなかった?

接種で並んだ人
「そうですね。おっしゃる通りだと思います」


■病院で4時間…「居座り」ナゼ?

東京・目黒区にある、PCR検査などを行う「目黒の大鳥神社前クリニック」。以前にこのクリニックで受診し、コロナ陽性と確認されたという1人の男性が現れました。

男性は「PCR陽性の場合、お金はかからないと聞いた。全額受け取るまで帰らない」と主張。診療費用を全額返すよう求め、約4時間にわたって居座りました。

北村直人院長が、初診料などに自己負担が発生することを説明しましたが、理解が得られず、押し問答になりました。

男性
「お返しいただくまでここで待ってる」

北村院長
「いや、あちらでお待ちください」

男性
「いや、ここで待っている」

北村院長
「完全に妨害です」

北村院長は警察に通報しました。

「患者様が受付前で居座ってしまっていて、1時間くらい座られていて、会計に誰も近づけなければ、受け付けもできない状態で、クレームの対応で、患者さん1時間くらい止まっている。診察が。患者さんがどんどんたまっていってる状態なんですよ」と訴えました。

実際に警察が駆けつける騒ぎになりました。病院側は、全額6000円を返金したといいます。

北村院長
「本来、検査費用なども返す必要は全く考えておりませんけども、あの場はああでもしないと収まらなかったので、患者様が非常にお待ちになって、ほかの方もお帰りになった状況だったので、やむを得ず言ってしまっただけで、本来返す義理もありません。驚きとともに、残念というしかないですよね」


■自宅療養11万人超…重症も最多

都内では27日、新たに4227人の感染を確認しました。1週間前より1000人以上減少しましたが、18人の死亡が確認されたほか、重症者は294人となり、過去最多を更新しました。

小池知事は会見で重症者の多さについて聞かれ、「多いです。ぜひ感染しない、させない徹底、よろしくお願いします」と述べました。

一方、緊急事態宣言が出されている茨城県の大井川知事は27日、「リモートでの授業ということで、新学期は始めていただく」と明らかにしました。

宣言期間中は、県立学校の全ての授業を、リモートにすると発表。小中学校など市町村立の学校などにも同じ要請をするといいます。

茨城・つくば市の小学2年生は「(リモートは)やだ。遊びたい。休み時間(学校で)遊びたい」と訴えました。

学校から、家庭ごとに対面授業かリモート授業か、選ぶよう求められているといいます。

母親
「仕事をしている身なので、夏休み中は祖父母の家に(預けて)いたけど、それが延長するってなると祖父母の負担が大きいし、かといって学校行ってコロナに感染するのも怖いし…」

27日の全国の感染者は4日連続で2万人を超え、2万4198人でした。厚労省によると、26日時点の全国の重症者は初めて2000人になりました。

25日時点の自宅療養者(埼玉県を除く、厚労省まとめ)は初めて10万人を超え、過去最多の11万8035人となったことも分かりました。

(8月27日『news zero』より)