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サル被害続く 負傷者は58人に… 1匹”捕獲”後も被害とまらず 山口市

2022年7月27日 21:22
サル被害続く 負傷者は58人に… 1匹”捕獲”後も被害とまらず 山口市

山口市でサルが人をかんだり、ひっかいたりするなどの被害が相次いでいましたが、1匹が捕獲され殺処分されました。しかし、その後もサルに襲われる被害は続いていて、負傷者はこれまでに58人にのぼっています。なぜここまでサルが人を襲うのか、野生のサルに詳しい専門家に話を聞きました。

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23日、山口市の民家に現れたのはおおきなサルです。網戸ごしにじっと家の中を見つめる様子が撮影されました。撮影者によると、サルは音を立てながら、網戸を開けるようなしぐさを見せていたといいます。

別の住人は、庭に侵入してきたというサルを撮影していました。

サルを目撃
「40センチくらい。ビニールをガサガサして遊ぼうとしていました」

山口市で3週間ほど前から、相次いでいるサルの被害。かみつかれたり、引っかかれたりするなど、27日までで58人が被害にあっています。

そして、26日夕方、事態が急展開しました。

高校教諭
「警察、パトロールカーが2台ほど来て。サルが出て、その対処に来られたかなと」

サルの行動履歴をもとに捕獲業者が追跡していたところ、高校の敷地内でサルを捕獲。推定4歳のオスで、体重6.9キロ、体長48.9センチ、群れからはぐれたニホンザルとみられています。市はこれまで人に危害を加えてきたサルと判断し、殺処分しました。

最初の被害は今月8日に発生しました。被害を受けたのは、生後11か月の赤ちゃんでした。

被害にあった赤ちゃんの母親
「掃除機をかけていたら、子どもの泣き声がした。振り返ったら、サルが引きずるような感じで。そのときは本当にパニックで」

サルは赤ちゃんを引きずっていたといいます。赤ちゃんの足の至るところに、その傷痕が残っていました。

26日、被害にあった女性は、冷蔵庫を開けようとした瞬間に…

被害にあった女性(70代)
「後ろから(サルが)パッときた。この辺、ここに傷があるからね」

網戸を閉めていたといいますが、サルが自宅の中に侵入し、背中や腰のあたりを引っかかれたといいます。

被害にあった女性(70代)
「(サルが)逃げた後、この辺がチクッとした」

その後、サルはすぐに逃走したといいます。

ケガをした58人全員が、山口市小郡地区でサルに襲われていますが、実は、そのうちの6人は、26日夕方のサルが捕獲された後に被害にあっています。

つまり、殺処分したサル以外にも、人に危害を加えるサルがいるとみられるのです。そのため市は、麻酔銃を使った捕獲作戦を今後も続けるといいます。

    ◇

27日、市営住宅の近くでサルを目撃したという女性に話を聞きました。

サルを目撃した人
「大きさはこのくらい。心臓がどきどきして、かまれたら怖いし」

凶暴なサルから身を守るため、ゴルフクラブを護身用にもった男性もいます。

住民
「サル退治をするために。 警戒して寄ってこないんじゃないかな」

    ◇

なぜここまでサルが人を襲うのか、野生のサルに詳しい専門家が指摘したのは――

高崎山自然動物園 楽猿案内担当・下村忠俊さん
「わざわざ(網戸を)壊してまで(室内に)行くんだというのは、そこの中に食べ物があったとか、そういった経験がそのサルの中にない限りは、通常しませんので」

餌付けされたが経験があり人慣れしているため、えさを求めて室内に侵入している可能性があるといいます。また、若いオスのサルは、メスを探すため群れを離れて数頭で行動することがあり、この地域で、複数のサルが人に危害を与えている可能性があるということです。

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