子どもたちの給食作れず…感染拡大で人手不足が深刻に 新型コロナ
2日、東京で新たに3万842人の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。感染の急拡大により、様々な場所で人手不足が深刻になっています。横浜市の保育園では管理栄養士が感染し、給食を作ることができず、宅配弁当に切り替えました。
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“第7波”のピークが見えない中、熊本県では2日、国が新設した「BA.5対策強化宣言」を発出しました。
熊本県 蒲島郁夫知事
「県内全域を対象に、熊本BA.5対策強化宣言を発出します」
熊本県の病床使用率は1日時点で66%、熊本市に至っては94.9%と病床がひっ迫しています。県は医療提供体制などを維持するため、改めて感染対策の徹底を求めました。
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2日、東京で新たに確認された新型コロナの感染者は3万842人と、14日連続で2万人を上回りました。“第7波”で爆発的に増えた感染者数。この数について、日本医師会と全国知事会は2日、厚生労働省へ緊急の申し入れを行いました。
日本医師会 松本吉郎会長
「感染者の全数把握にかわるような仕組みを、少し考えていただけないかと」
全国知事会 会長・平井伸治鳥取県知事
「本来の命や健康を守ることに、有効な時間と人員をあてたい」
医師や看護師の負担が増える中、すべての感染者数を確認し、発生状況を届け出る「全数把握」について、見直しを求めたということです。
感染拡大に伴い、医療機関のひっ迫が大きな課題となっています。この事態を乗り越えるため、政府からも――
後藤厚労相
「療養開始時や復帰時に、検査の結果を証明する書類を求めないことを要請いたしております」
厚生労働省は、経済団体などに感染者が療養後、職場復帰する際などの「検査証明の提出」を求めないよう要請しました。また、文部科学省も、教職員や児童生徒が学校に復帰する際の陰性証明の提出を不要とするよう、全国の教育委員会などに通知したということです。
さらに、2日、感染症学会など4つの学会が共同会見を開きました。
4学会の会見
「医療機関受診および救急車利用に関する声明を発出させていただきます」
「水分がとれない、呼吸が苦しい、ぐったりして動けない」などの場合はためらわずに救急車の利用を。一方で、飲み食いができる、呼吸が苦しくないなどの場合は、慌てて医療機関に行かず自宅での療養をしてほしいということです。
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感染拡大で課題と直面している場所は、他にもあります。
三ツ境たんぽぽ保育園 紺野のぞみ園長
「子どもたちの、お弁当の給食の宅配を、きのうからお願いしています」
神奈川県横浜市にある三ツ境たんぽぽ保育園では、職員の感染者が続出しました。管理栄養士が感染したため、給食を作ることができず、1日から宅配弁当に切り替えました。
この保育園では1週間で全体の約3分の1にあたる10人の職員が感染し、人手不足となりました。しかし、働いている保護者がいる中、休園もできません。
紺野園長は「今とても不安な状況で、職員と保護者さん過ごしております」と話しました。
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都内の学童クラブも、感染拡大で窮地に陥りました。
ライト学童保育クラブ 荻野貴大さん
「職員の陽性者が何人か増えて、閉鎖ギリギリという状況に」
夏休みで毎日80人ほどの児童が来る学童クラブでは、ボランティアなどの手を借りて、人手不足を乗り越えているということです。
また、東京都は4日から、都営バスの一部の路線で減便を行うと発表しました。2日正午時点で、全乗務員2467人のうち101人が感染、または濃厚接触者となり、乗務員の確保が難しくなったということです。
ピークが見えない中、綱渡りの日々が続いています。