新型コロナ感染拡大 「医療の堤防が決壊し出している」医療現場に強い危機感
20日、東京では新たに2万401人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。2万人を超えるのは、2月5日以来約5か月半ぶりです。都内の病院では「医療の堤防が決壊し出している」と強い危機感が示されています。
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大阪府 吉村知事
「本日の新規感染者数は過去最多を更新すると思います。新規感染者数は約2万2000人程度になります」
20日、大阪府の吉村知事は記者会見で、大阪府の新規陽性者数が過去最多となる2万2000人程度になる見通しだと明らかにしました。
また、愛知県では過去最多となる1万3628人の感染が確認され、初めて1万人を超えました。沖縄県でも新たに5160人の感染を確認し、過去最多となりました。5000人を超えたのも初めてです。
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全国で感染が広がる中、20日に東京・吉祥寺駅前で行われていたのは、臨時ワクチン接種会場の設置を知らせるための呼びかけです。
東京都福祉保健局 新型コロナウイルスワクチン担当課長 江袋晃弘さん
「若い方の多い地域で、ワクチンの接種を呼びかけることで、特に若い方々、接種率が非常に低い状況ですので、3回目の接種促進につなげたい」
臨時接種会場は22日に吉祥寺駅近くに設置され、東京に住む人の他、東京に通勤・通学している人も対象だということです。
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観光の現場では、第5波・第6波などとは違う動きが出ているといいます。
レインボーブリッジ、東京スカイツリーなどをめぐるツアーが人気の屋形船「品川船清」では、これまでとは違い、予約のキャンセルが出ても、同時に新規の予約が入るというのです。
品川船清 伊東陽子女将
「少しキャンセルが出ておりますが、またすぐ新規の予約が入ったりしますので、それほど自粛している感じはないですね」
特にその状況が現れているのが、個人を中心とした乗り合いの予約です。キャンセルよりも、新規予約の数が上回っているといいます。
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同じ状況は、東京・新橋の飲食店「厳選焼鳥 一石三鳥」でも起きていました。
厳選焼鳥 一石三鳥 山田浩平マネージャー
「本日で9名様のご予約がキャンセルいただいています」
今月に入り、65件キャンセルになったといいますが、一方で新規予約は約60件とほぼ同じ数になっているといいます。
厳選焼鳥 一石三鳥 山田浩平マネージャー
「行動制限がないので、当日とか直近で組まれたスケジュールでも、席が空いていれば、ご予約をされたいという方が多いように感じます」
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一方、東京・八王子市の清智会記念病院では、強い危機感が――
清智会記念病院 横山智仁理事長
「医療の堤防がちょっと決壊し出しているという状態に、この3連休で追い込まれている。もう間違いなく(医療は)ひっ迫していて、それがもう危機感ぐらいから、本当に悲壮感とか絶望感まで行くような」
清智会記念病院では、発熱外来の受け入れ枠は1日あたり40人でしたが、19日は百数十人から問い合わせがあったといいます。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「急きょ60人診るにはしたのですけど、それでも救急医療の方も来たり、スタッフも朝からもう連休明けで、泣きながらじゃないですけども、何とか対応して」
さらに、病床もひっ迫しています。東京都全体の病床使用率は19日夜時点で40.5%ですが、中小規模である清智会記念病院では4床のコロナ病床が埋まっているといいます。高齢の感染者が1人で暮らせないなどの理由で入院する例もあり、新型コロナ以外での救急の受け入れも困難になっているといいます。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「近隣の救命センターとかも追い込まれているので、コロナ以外の方にもしわ寄せが行くっていう状況にもうすでになっている」
また、職員が濃厚接触者になるなどし、人員不足も深刻だといいます。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「今いろんな事が10日間で隔離期間とかなっていますけども、やはり僕らの感染したスタッフもなるべく早く戻していきたいので」
横山理事長は「医療スタッフが感染した場合は隔離期間を短縮し、早く仕事に戻れるようにしてほしい」と主張しています。