鉄道模型コンテスト・1~カメラ列車制作編
8月、東京・新宿で「全国高等学校鉄道模型コンテスト」が開催されました。コロナ禍で日常の学校生活やクラブ活動が制限される中、自由な発想でジオラマに夢を描いた中学生・高校生たちの物語を、日本テレビ報道局で結成された『鉄道を愛する有志』が、オリジナルのカメラ列車を制作。おのおのの技術を注いで、鉄道模型にささげる彼らの青春を丁寧に記録しました。
今回はシリーズ第1弾、「カメラ列車制作編」をお届けします。
コンテスト開催の1か月前。私たちは、模型に詳しい気象予報士の藤富さんに、『カメラ搭載のオリジナル車両制作』をお願いしました。プロデューサーが手渡したのは、小型のカメラ。
藤富さん
「これ、何ですか? …え、こんなに小さいんですね」
「(鉄道模型に)入りそうですね。これで前からの映像を記録することができるかと」
藤富さんが自前で用意したというノギスで、カメラを搭載する鉄道模型の幅を測ってみると…15.6mmでした。一方、カメラの横幅は?
藤富さん
「14.3mmなので…収まりそう、入りますね」
ただ、実際にカメラをはめてみると、問題点が。
藤富さん
「ちょっと(模型鉄道の)下の部分が余裕がない。屋根の部分を削って、調整することになります。正面部分、窓が邪魔なので、窓を取り外してみます」
つまようじを使って、フロントガラスを外します。上に引き抜くようにして、外れました。
再び小型カメラを鉄道模型に入れてみると…。
藤富さん
「まだレンズが下のところに引っかかっているので、屋根を削って、ちょっと(カメラを)上げてみるか、場合によってはレンズ部分だけ下をくりぬく形になるのかな、と思います」
また、車両の天井にあたる部分を切ったり外したりすることで、カメラの位置を調整できるということです。
藤富さん
「最悪、入らなかったら、この屋根も削っていこうと…丸いので平らにしようと」
ここからは、0.1mm単位の削り出しの作業が始まりました。
そして、模型コンテストで走らせる「カメラ列車」が、ついに完成しました! カメラが搭載されても景観を邪魔しない、自然な車両に仕上がりました。
早速、藤富さんの自宅にあるオリジナルレイアウトの鉄道模型で試運転! この「カメラ列車」でコンテストを取材します。(詳しくは動画でご覧ください)
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次回.シリーズ第2弾では「東京都立大崎高等学校ペーパージオラマ部」の作品をご紹介します。2020年の熊本の豪雨で流出した「球磨川第一橋梁」を紙でよみがえらせた作品。コロナ禍で、学校生活も制限される中、生徒たちが懸命な思いを寄せて作った球磨川の橋を、日テレ「カメラ列車」が渡ります。