眞子さまにパラグアイから勲章
――小室圭さんとの結婚を控える秋篠宮家の眞子さまが、父・秋篠宮さまと共に今月5日、パラグアイ政府から勲章を授与されました。
今回手渡しで授与されたのは、「国家功労勲章特別大十字型章」という勲章で、秋篠宮さまは、2006年、パラグアイに日本人が移民として渡って70周年の記念の年に、眞子さまは、2016年、80周年の年に、パラグアイを公式訪問し、国際親善に務められました。眞子さまは12日ブラジルからも勲章を授与されました。井上さんこちらのニュースをどのように聞かれましたか?
皇室を離れる直前の贈呈というタイミングに、パラグアイ政府の敬意、感謝、そして眞子さまの確かな足跡を感じました。眞子さまが成年皇族として活動されて10年。この間、日本人移民の多いパラグアイやブラジル、ペルー、ボリビアなど中南米の国々との交流を大切にされてこられました。これらは2005(平成17)年に結婚して皇室を離れた紀宮さま、黒田清子さんが担っていた交流で、それを引き継いで大事に育ててこられました。
中南米の国々は、標高3、4千メートルの高地に町があって、そこを訪ねて日系人と触れあい、ブラジルでは、5州14都市を回って日系人のコミュニティーを訪ねられました。勲章贈呈は、こうした親善に尽力されてきた証しで、皇室を離れるにあたって、眞子さまが果たしてきた役割はきちんと認識されていいと思います。
――眞子さまは、いよいよ今月26日にはご結婚、そして記者会見が予定されています。井上さんは、記者会見にはどういうことを期待されますか?
結婚はお二人の合意で成立するわけですが、小室家の金銭問題には強いモヤモヤがあり、多くの人が納得し、喜べる状況にないのも残念に思います。お二人の記者会見では、さまざまな声がある中で眞子さまの胸の内、そして時間に限りがあるかもしれませんが、小室家の金銭問題についても丁寧に時間の許す範囲で説明してほしいと思っています。
宮内庁の10月1日の発表では、結婚の日程と一緒に眞子さまの「複雑性PTSD」という病状が明らかにされました。ネットに厳しい声があふれる中、結婚に反対する人たちに「黙れ」と言うような声にも聞こえ、また、「誹謗(ひぼう)中傷」という強い言葉にも、とまどいを感じました。宮内庁はもっと早い時期にアラートを発するなど、やり方があったのではないかと思います。
今回のことで、皇室も決して不変ではなく、内側から今時に変化していることに気づかされました。その変化を受け入れるしかないと思う一方で、国民との結びつきに関して、緩やかな結び目がするするとほどけていくような感じもして、危機ではないのかなとも感じています。しかし、ここまで来たら、静かに送り出そうと思っています。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。