ジャガイモ高騰「ポテチ」値上げも…何が
今、ジャガイモの値段が上がっています。カルビーは来年1月からのポテトチップスの値上げを発表しました。ジャガイモの産地・北海道で何が起きているのでしょうか。
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ホクホクにふかしたジャガイモにジュワ~と溶けたバターが絡み合う「じゃがバター」に、ジャガイモの上にトロッとしたチーズとベーコンを乗せて焼き上げたグラタンなど料理の主役にも脇役になれる家庭の定番野菜、ジャガイモ。
今、そのジャガイモに困ったことが起きているといいます。それは──。
LampLightジャガイモ 苫米地正人オーナー
「例年に比べ1.5倍、1.7倍くらいに高騰しているのは事実です」
仕入れ値の高騰です。千葉県にある飲食店「LampLightジャガイモ」では、メークインやきたあかりなど北海道産のジャガイモ15種類を仕入れていますが、そのすべてが値上げの対象となっているといいます。
LampLightジャガイモ 苫米地正人オーナー
「この相場で、値段でずっといくのか。あと1か月、2か月先に値段が落ちてくれるのを望んでますけど。ちょっときびしいですね」
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市場価格も1日時点で、平年と比べ146パーセントに上がっているジャガイモ。収穫量のおよそ8割を占める産地、北海道で何が起きているのでしょうか。
北海道士別市で50年にわたりジャガイモを育ててきたという農家に聞いてみると──。
ジャガイモ農家 沼舘初男さん
「急激な干ばつ状態で、収量的には例年の半分、50%くらいですね。品種によって被害を受けるのはありましたけど、これだけ全般的に被害を受けたのは、初めてです。こんなことは今までなかったです」
今年の夏、北海道を襲った記録的な猛暑や雨不足で生育不良となり、例年に比べ出荷ができなかったといいます。
その影響は広がり、パリッとした食感と、絶妙な塩加減が病みつきになる「ポテトチップス」にも及んでいます。先月、カルビーは北海道にある契約農場のジャガイモが減収する見通しとなったことや物流コストの上昇などを受け、2年ぶりに値上げに踏み切ると発表。
対象は定番のうすしお味を含む17種類で、来年1月から1割ほど順次、値上げしていくといいます。
さらに人気商品の「じゃがりこ」など、一部商品は価格を据え置き、内容量を少なくするということです。
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天候不順により加工品にも影響が出始めたジャガイモ。東京・墨田区の「スーパーイズミ」では、例年に比べ、3割ほど価格を高くして販売。そのため──。
スーパーイズミ 五味衛社長
「高いとそれだけで今シビアですから、少しでも安いのをお客さんは見てますから、あまり売れないですよね」
売れ行きがにぶくなるだけでなく、売れ残ると安売りをせざるを得ないといいます。
さらに、ジャガイモにある異変も起きていました。お客さんが値段以外に気にしていたのは──。
お客さん
「サイズはもうちょっと、大きい方がいいのかもしれないですけど、お料理するのに」
ジャガイモの大きさです。
スーパーイズミ 五味衛社長
「今年は(北海道産は)大きいのが全然育たなかったみたいで」
大きさも、例年よりひと回りほど小さいものが目立つといいます。仕入れの量も4割ちかく減少した北海道産のジャガイモ。鹿児島産が収穫を迎える春まで、北海道産に頼るしかないということです。