選挙戦直後…国会「氏名標」書き換えに密着
先の衆議院選挙、候補者は選挙戦が終わるまで多忙を極めましたが、選挙戦が終わった直後から慌ただしい作業に追われるという、意外な仕事を取材しました。
■漆塗り替え、名前書き換え…「氏名標」作業が佳境
国会の本会議などで議員席に立てる「氏名標」。埼玉県吉川市の『ぬしさ産業』では、衆議院選挙の結果を受け、この「氏名標」に当選した議員の名前を書き入れる作業が、佳境を迎えていました。1本を書くのにおよそ30分かかります。
「氏名標」は、議員が変わるたびに漆を塗り替え、名前を書き換えながら使い続けているのです。
この会社は1947年から「氏名標」の書き換え作業を請け負っています。
『ぬしさ産業』竹俣圭清社長「もしかしたら大物の政治家の名前が書いてあったかもしれない。重みと歴史があるものが、この目の前に立っていると」
■合計101人分を5日間で…のべ3805回の名前書き
先月14日、衆議院が解散。人影がなくなった国会は、静まりかえっていました。
17日間の決戦の結果、新たに当選した新人議員は97人。投開票日の翌日から次の国会召集日に間に合わせるまでの時間は、わずか5日間です。今回は新人に加えて、合計101人分の依頼をこなします。
また、記名投票で使う「賛成札」と「反対札」などにも名前を入れるため、今回は101人分、のべ3805回、名前を書かなければならないといいます。
できたものから、車内に積み込みます。
竹俣圭清社長「車の中でも乾かしながら持って行く感じ」
国会職員の手に渡され、10日の召集日前日までに本会議場に設置されます。
こうして、「氏名標」は新たな時代と政治の行く末を、議員の傍からそっと見つめていきます。