処理水の海放出“23年春の開始困難”も
原子力規制委員会の更田委員長は8日、福島第一原発の処理水の海への放出について、年内に東電が実施計画を提出しないと2023年春からの予定通りの開始は難しくなるとの見解を示しました。
福島第一原発にたまり続ける処理水を巡って、東京電力は放射性物質のトリチウムの濃度を国の基準の40分の1以下にまで薄めてから海に放出する考えで、政府もその方針を決め、2023年春の放出開始を目指しています。
東京電力は処理水放出に向けた実施計画を原子力規制委員会に申請し認可を受ける必要がありますが、規制委員会によりますと、その申請がまだ提出されていないということです。
これについて、規制委員会の更田委員長は8日の会見で、地元関係者の理解や設備の建設工事にかかる時間などを逆算すると余裕がない状況だとして、「(申請が)年を越えてしまうと苦しくなってくると思う」「年内に申請がされることを希望する」と述べました。