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【NNNドキュメント】親が”エホバの証人”信じ… 奪われた人生取り戻した“宗教2世”たち NNNセレクション

2024年1月27日 16:49
【NNNドキュメント】親が”エホバの証人”信じ… 奪われた人生取り戻した“宗教2世”たち NNNセレクション
宗教の教えから子供を虐待しているとして社会問題になった「エホバの証人」。幼い頃は親からのムチ打ちの懲らしめにおびえ続け、自分の将来に希望を持つことも許されない。そんな理不尽から飛び出し、奪われた人生を自分の意思と覚悟で取り戻した人々の姿を追う。

 ◇◇◇

親が信じた宗教にしばられ、もがき続けた人たち。

小松猛さん
「人生そのものが破壊されてしまう。恐ろしい宗教だと思います」

夏野ななさん
「下着を取られ、お尻を出した状態でたたかれるというもので、我が家は小さいうちは平手、その後は父親の革ベルトでした」

夏野ななさんは、『エホバの証人』の3世。彼女自身はその教えを信じたことはありません。中学生で家出し、それから1人で生きてきました。

夏野さんの家族が信じた、キリスト教系の宗教団体「エホバの証人」。その教えは、やがて確実にくるハルマゲドンで一般社会は全て滅ぼされるが、「エホバの証人」の信者だけは生き残り、永遠の命を得るというもの。

教団が翻訳した聖書である「新世界訳」には、「むちを控える人は子供を憎んでいる」。ムチで打ち懲らしめることが、子供の命を守る親の責任。この教団の教えを信じるあまり、ムチはエスカレートし、子供は深く傷つきました。

夏野さん
「毎日いつ自殺しようか、本気で悩んでいました」

夏野さんが訴えた『エホバの証人』の虐待の実態。小松猛さん、「エホバの証人」の元信者。両親や兄は今も現役の信者です。

虹音くん(3)
「おなかすいてる。もう我慢できない」

自分で築いた“家族のカタチ”。家族の温かさは知らずに育ってきました。

小松さん
「何でこんな家に生まれちゃったんだろう。隣の家に生まれていたら良かった」

物心ついた時、母親は熱心な信者で、家を訪ねる伝道活動にも連れ出されました。

小松さん
「子供だけど、ネクタイみたいなものをして、母親が話すことを黙って聞いていて」

13歳で正式な信者になるため、洗礼を受けました。ほとんどの時間を教団の活動に費やしましたが、20歳の時、信者ではない女性とバイト先で知り合い、恋をしました。教団では、信者同士以外の結婚は認められません。小松さんは、教団をやめることに。

小松さん
「『エホバの証人』の信者になった人がやめたり、除籍処分を受けたりすると、今度、“忌避”っていう問題が生じて」

「忌避」とは、一度、信者になった人が正式に教団を離れたら、たとえ家族でも関係を絶つという教えです。それから20年以上。小松さんは両親や兄から避けられています。

581人の2世などから「エホバの証人」の虐待の実情を調べ、国に報告した弁護団。中心にいた田中広太郎さんも、元信者で2世。「エホバの証人問題支援弁護団」を立ちあげました。

支援弁護団・田中広太郎さん
「過酷な身体的ダイレクトな虐待。子供たちが定期的に暴力を受ける。これがムチです」

田中さんも家族との関係に苦しんできました。母親が入信したのは、1歳の時。

田中さん
「一番悲しかった写真。ケーキを食べている写真らしい。家族から誕生日を祝ってもらったのはこれだけ」

「エホバの証人」では、誕生日を祝いません。だから、家族が祝ってくれた誕生日は1度きり。

田中さん
「最初の記憶は、王国会館(集会場)で鬼のような形相の母親に、口を押さえられ連れて行かれてムチされた」

13歳で正式な信者になりましたがー。

田中さん
「教団が言っていることと、やっていることにズレ、ものすごく思い悩むようになった」

25歳の時、初めて自分の意志で大学に行くと決意。

田中さん
「『エホバの証人』の中では、一般社会の人、サタンに毒されている人たち、接してはいけないと言われる。大学に入って、同級生たちが(自分の)凝り固まってた考えに、くさびみたいなのを打ち込んで、ビシっとひびを入れてくれた」

そして、弁護士として「エホバの証人」の虐待の実態を訴え続けています。

田中さん
「色々な幸せを奪って、苦痛を味わってきた、それをもたらしたのは母ではなく、母が信じた教団が教える誤った教え。そうであれば母も被害者だと思う。母を幸せにしてあげるというのは、家族しかいない」

自分の人生を、自分の手で、取り戻す。

2024年1月21日放送 NNNドキュメント’24『人生を取り戻す ~“JW”の家に生まれた私~』をダイジェスト版にしました。

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