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【解説】“統一教会”国が窓口設置で被害相談相次ぐ 「1億円超える献金で自己破産」

2022年10月4日 20:32
【解説】“統一教会”国が窓口設置で被害相談相次ぐ 「1億円超える献金で自己破産」

「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”をめぐる問題について、国が電話相談窓口を設置するなど、被害の把握と支援に動いています。一方、4日に会見を開いた教団側は、何を主張したのでしょうか。

「相次ぐ被害相談」
「教団の主張は」
「『政治との関係』追及続く」

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■電話相談の約7割「金銭トラブル」家族の苦労とは?

教団は4日午後2時すぎ、会見を開きました。

教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は「本来、ご本人様であれば、教会に相談する、あるいはご家族様であれば、ご本人様に相談するというのが本来の筋道であり、それを受け止めきれずに、ご本人様もしくはご家族様が国の相談窓口に相談せざるを得なかったということは、本当に申し訳なく思っております。本当に心からおわび申し上げます」と述べました。

教団が4日に開いた会見は、国が公表した2つの調査結果について、教団側の受け止めを発表したものです。

1つ目は、国が先月、新たに設置した電話相談窓口に寄せられた相談内容についてです。関係省庁連絡会議によると、9月5日~22日までに教団に関する被害の相談が1317件寄せられました。このうち、最も多かったのは「金銭的トラブル」で70%を占め、919件の相談が寄せられました、

直近で金銭を支払った時期は、「20年より前」が37%と最も多い一方で、「1年以内」も18%でした。また、相談者の7%が「信者」、24%が「元信者」でした。最も多かったのは「親族」で、48%でした。

具体的な相談事例としては「信者である家族が、これまで1億円を超える献金をしたため、自己破産した。返金を求めたい」、「信者である家族は、ここ数年、1000万円弱の献金をするため、借金し、公共料金も支払えていない」というものがあり、家族の苦労が見受けられます。

こうした結果を受けて、教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は「ご親族や友人・知人の相談が圧倒的に多いわけですから、ここから言えることは、やはり献金をする時のご家族様への納得性というのが本当に大事なことでもあると考えます」と述べました。

金銭トラブル以外でも、「2世信者であるが、家族から離れて暮らしたい」、「退会しようとしたら、脅迫のような行為を受けた」といった相談も寄せられています。

政府は現在の相談状況をふまえ、9月末までとしていた電話相談の期間を延長することを決めました。また、弁護士による法的なサポート体制の強化なども進めていくということです。

■教団に関する相談件数が増加 「安倍元首相銃撃事件」以降

2つ目の調査結果は、過去10年間に全国の消費生活センターに寄せられた相談に関する調査結果を消費者庁がまとめたものです

ここ10年の教団に関する相談件数の推移は年々、徐々に減っていました。今年度に入ってからも、4月から6月の相談件数は7件でした。しかし、安倍元首相の銃撃事件があった7月を境に、相談件数は増え、9月は123件寄せられたということです。

安倍元首相の銃撃事件後、相談が急増していることについて、教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は、「(全体では)84万件の相談に対して、私ども家庭連合に対する相談は27件というのが実態であります。消費者センターへの相談(全体)のうち、家庭連合が占める割合が極めて低いといえるかと思います」と述べました。

つまり、教団は昨年度の27件という数字を取り上げて、「全体の相談件数の中では、極めて少ない」と強調したのです。

■教団関係者を名乗る人物、消費生活センター訪問

一方で、教団について、消費者庁である出来事が起きていました。消費者庁によると、全国47都道府県にある消費生活センターすべてに、教団関係者を名乗る人物から訪問や電話による問い合わせがありました。「教団に関する相談が来たら、教えてほしい」、「相談情報を教えてほしい」などと要請していたということです。

もちろん、消費者庁は相談内容について、「情報提供は一切行っていない」とした上で、「要請があっても、個別の相談について開示しないし、業務に支障が出るので、こうした要請はやめてほしい」としています。

これを受けて、教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は「教団内部で解決できれば、さらにいいことですから、『そういった相談があるのか』ということを(センターに)聞いたんじゃないかと思うが。少なくとも私は指示していませんし、存じ上げません」と説明しました。

教団本部の指示ではなく、勅使河原本部長も「知らない」とする一方、河野消費者担当相は「組織的に行われたことはあるんだと思う」との見方を示しています。

■山際大臣と教団の関係 野党「瀬戸際大臣」と批判

教団と政治家とのつながりについても、追及が続いています。山際経済再生担当大臣が3日、教団の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と会ったことがあると発言しました。

きっかけは、1枚の写真でした。2018年の教団のイベントで、花束を受け取る韓総裁の後ろに山際大臣が写り込んでいることが、報道陣から指摘されていました。

こうした“指摘を受けた後に事実を明かす”山際大臣の姿勢に、立憲民主党の泉代表は「後出し大臣」、「お辞めいただくのが、ふさわしいのではないか」などと批判しています。

また、教団との関係を指摘されていた細田衆議院議長は9月29日、ようやく文書で教団と接点があったことを認めましたが、野党は細田議長の口から詳しい説明をすることを求めています。

政治との関わりについて、教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は4日の会見で、「私たちの思想信条と似ている、同じような考え方を持つ政治家にアピールしたり、応援したりすることはある」とした上で、今後は「誰からも批判されない宗教になっていくのが第一」と述べました。

      ◇

教団は会見で「被害者救済に向け、対応していく」と説明しましたが、被害者にどう対応するかだけではなく、そもそも被害者を生み出さない根本的な改革が必要なのではないでしょうか。そのためには、政治家個人も本腰を入れて、教団に対応してほしいものです。


(2022年10月4日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)