“宗教2世”法整備など求め7万人以上の署名を国に提出 「宗教組織が仕組んだ組織的な虐待」
安倍元首相の銃撃事件をきっかけに注目された「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”などの「宗教2世」の問題。この宗教2世の人たちが、「親から信仰を強制されるのは虐待にあたる」として、法整備などを求めた7万人以上の署名を28日、国に提出しました。
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署名活動をするのは、両親が教団信者だという高橋みゆきさん(仮名・20代)です。
両親が“統一教会”信者の高橋みゆきさん(仮名・20代)
「高額献金の話や政治家との癒着の話が巷(ちまた)では盛り上がっていますが、信者の子どもに対する宗教活動や信仰の強制という、これは宗教組織が仕組んだ組織的な虐待」
両親は「合同結婚式」で結婚し、現在も熱心な信者だといいます。高橋さんは安倍元首相の銃撃事件の直後から、オンラインで「宗教虐待防止のための法整備」を求める署名活動を開始し、集まった署名は7万人超えになりました。
28日、この署名を厚生労働省などに提出し、要望したのは――
両親が“統一教会”信者の高橋みゆきさん(仮名・20代)
「児童虐待の条件に該当する被害を認知した場合は、たとえ信仰や宗教活動に起因するものであったとしても、一般の虐待と同様に被害児童を救済するということを求めています。警察だとか児童相談所とか学校の先生に相談したけど、宗教の問題に対しては『家庭の中で、ちゃんと自力で解決してね』と門前払いされてきた子どもたちが、たくさんいます」
さらに、児童虐待防止法などに「宗教虐待の定義」を追加することを求めました。
署名を集めるサイト「change.org」の「宗教虐待防止のための法整備」を求める署名のページには、賛同者から「私も同じような虐待を受けました」、「子どもの権利、自由を考えれば、ごく当たり前だと思う」といった声が寄せられました。
安倍元首相の銃撃事件をきっかけに注目された“宗教2世の問題”。
両親が“統一教会”信者の高橋みゆきさん(仮名・20代)
「この数十年間苦しんできた(宗教)2世たちの声が、ようやく社会に訴えられるようになりつつあるんですけど、家庭内という閉じられた環境を悪用した子どもに対する宗教活動の強制というのは、“統一教会”だけの問題ではありません。日本全体での仕組み作り、ルール作りは確実に必要だと思っています」
今回の「署名提出」について、教団は「宗教2世の中に、そういった境遇の子どもたちがいることは存じ上げています。教会としては、一人ひとりの信者に寄り添ったケアをしていきます」としています。
高橋さんは「もしかしたら自分のクラスの子どもが、もしかしたら会社の同僚が、似たような苦しみを負っているんじゃないか。社会全体としての理解をしていただくことで、宗教2世が孤立してしまうことを防ぐことにつながるのかな」と訴えました。
(9月28日放送『news zero』より)