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“統一教会”「霊感商法1件もない」――3度目会見でヒートアップ 手を震わせ…「報道や左翼弁護士が国民をミスリード」

2022年9月23日 11:08
“統一教会”「霊感商法1件もない」――3度目会見でヒートアップ 手を震わせ…「報道や左翼弁護士が国民をミスリード」

“統一教会”が22日、3度目の会見を開きました。かつて合同結婚式でメディアに登場した「教会改革推進本部長」と弁護士が、主張を展開。声を荒らげ、ヒートアップする場面もありました。被害者救済にあたる弁護士や元2世信者に、会見の印象を聞きました。

■「テッシー」こと勅使河原氏が会見

「私の認識では、霊感商法は1件もないはずです。この2009年以降は」

世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”が22日、3度目の会見を開きました。ヒートアップする場面も見られました。

田中富広会長不在の会見には、かつて新体操元日本代表選手との合同結婚式などでメディアに度々取り上げられた、「テッシー」こと勅使河原秀行氏が出席。教団が新たに設置した、「教会改革推進本部」の本部長に就任しました。

■本部長「献金は自由意思で尊いもの」

勅使河原本部長は、用意したフリップを次々と出し、教団の主張を続けました。

「あたかも家庭連合が毎年毎年、1500件前後の被害を引き続き継続して出しているような印象を与えるような記事は誠に遺憾であります」「宗教に対する献金は尊いものであり、聖なるものでありますから、それ(献金)は本人の自由意思に基づいてなされております」

声を荒らげ、「コンプライアンス宣言をした2009年以降、霊感商法は1件もない」と訴えました。

この主張に、政府の対策検討会メンバーで被害者救済にあたる紀藤正樹弁護士は「過去の事実に向き合っていない。2010年まで霊感商法店舗は摘発されていました。2009年以降は(霊感商法が)まるでないという主張は、明らかに誇張や言い過ぎがある」と断じました。

時折、手を震わせていた勅使河原本部長。「信者の経済状態に比して過度な献金とならないよう、指導を改めて徹底する」と強調しました。

■献金「過度」の基準は?…質問相次ぐ

会見では、「過度」の判断について質問が出ました。

――誰がやるんですか?
「各教会です。教会長ないしはスタッフということになりますか」

「内輪でやってどれだけの効果があるんですか?」などと厳しい質問が飛び、教団側の弁護士も応戦しました。

福本修也弁護士
「2009年にコンプライアンス宣言が出て、信者が経営する会社における物販活動は一切なくなっています。これは間違いありません。これ以降に、霊感商法だと言って“統一教会”を訴えて損害賠償を求めたものは一切ありません。この13年間ありません!」

――ならばなぜ、7月8日のようなこと(安倍元首相銃撃事件)が起きたんですか?

福本弁護士
「よろしいですか。あの事件の(山上容疑者の)お母さんが献金されたのは1990年代です。90年代の話であって、コンプライアンス宣言以前、はるか以前の問題でございます。もう切ってください」

過度な献金の基準について、「通常の社会生活を困難にするような程度」などとする一方、具体的な金額については「個々の信者の経済状態によって異なる」と述べるにとどまりました。

――山上容疑者の家庭は「過度な献金」に当たる?

福本弁護士
「(山上容疑者の母親は)1億円以上(献金)したと確認は取れています。私の感覚で言えば、過度な献金であったと」

■紀藤弁護士「問題の根深さが見えた」

――政府与党も含めて、教団との関係を今後は一切絶つと言っています。

勅使河原本部長
「誠に残念なことだと思います。霊感商法が今でも行われているかのような報道、それを主導していると思える左翼弁護士の方々の影響が、多分に日本国民の皆様をミスリードしているんじゃないか」

紀藤弁護士は「自分たちが生み出した被害者に対する思いやりがないところが、“統一教会”問題の根深さが、垣間見える会見だったと思います」と指摘しました。

今後について「基本的には期待がまったくできないので、中立的な第三者を入れた、被害者も入れたほうがいいと思いますが、第三者委員会みたいなものが必要だと思います」と訴えました。

■2世問題…「継承の努力も当然」

会見を聞いた、両親が1000万円以上の献金をしていたという元2世信者(40代)。「薄っぺらい改革案を世間に向けて言いたかっただけだな、というのが感想です」と受け止めを語りました。

会見では勅使河原本部長が、宗教2世問題について言及しました。

「思想・信仰の自由というものがありますので、どこまでも最終的な選択は個人であるべきだと考えております」

「自分が正しいと信じる宗教的理念を子供や子孫に継承させようという努力も、一方で当然のことだと思います。信仰と社会性の調和は本来家庭の中でなされるべきだと考えます」

■元2世信者「信仰しない自由なし」

これに対し、元2世信者は「僕は“統一教会”の教義から気持ちが離れるのが早かったんですけど、親に言われるのは『お前はサタン(悪魔)に引っ張られている』と」。信仰が親子関係に及ぼす影響の大きさを語りました。

「信仰しない自由があったかというと、間違いなくなかったですし。親子間の問題ではあるんですけど、そういう教義を親に対して指導しているのは“統一教会”なので」とも指摘しました。

高額な献金については「自分は家にお金がないせいで、大学進学も諦めた。(僕は)親が高額献金をした被害者ではあるんですけど、僕が(献金)したお金じゃないから、教会にお金を返せって言えない」と言います。

「数字に表れない高額献金の被害はたくさんあると思います」

(9月22日『news zero』より)

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