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トカラで震度5強 気になる最近の地震は

2021年12月13日 22:20
トカラで震度5強 気になる最近の地震は

過去の災害の教訓から日頃の備えについて考える「命を守る 防災チェック」。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者とお伝えします。

――今日は、「気になる地震」というテーマで、ここ最近の気になる地震活動について掘り下げてみたいと思います。まず、今月5日から12日まで先週1週間に起きた震度1以上の地震の震源とその深さを示した図では、12日までの1週間に国内では震度1以上の地震が195回発生しました。今月3日には山梨と和歌山で震度5弱の地震が起きて驚きましたが、先週もトカラ列島で大きな地震がありました。

中濱記者:
先週9日(木)の午前11時すぎにトカラ列島近海を震源とするマグニチュード6.1の地震がありました。

鹿児島県トカラ列島にある悪石島。鹿児島市から、南におよそ300キロ離れた、このトカラ列島では今月4日の昼頃から地震が多くなりはじめ、13日午前10時までに震度1以上の地震は286回を数えています。悪石島では住民が島の外に一時的に避難する事態になっています。

悪石島では今年4月に震度4の地震がありました。2000年10月には震度5強の強い揺れもあった。いずれの地震も収束するまで約2週間続きました。

――一定期間に地震が集中して、ある程度時間がたつと収まるということですか?

中濱記者:
そうなんです。そのような地震を「群発地震」といいます。ただ気象庁も会見で、トカラ列島の地震はほかの地震と発生の仕方が異なるとしています。

一般的に地震は最初に大きな地震があって、次第に地震の回数が減って収束していくことが多いのですが、今回のケースはそうでない可能性もあるとして引き続き同程度の地震に注意を呼びかけています。

――トカラ列島は火山島も多くありますが火山が噴火する前触れということですか?

中濱記者:
今すぐに噴火に結びつくというデータはありませんが、悪石島の隣、諏訪之瀬島では、活発な火山活動が、続いているのも事実です。今後の活動には注視が必要です。そしてもう1つ注目したい地震ですが、12日昼頃に関東地方で発生した震度4の地震です。

この地震では埼玉県や北関東の3県で震度4、東京都心でも震度3など関東の広範囲で揺れを観測しました。震源地は茨城県南部で地震の規模を示すマグニチュードは5.0でした。震源が少し深く広範囲で揺れました。大きな被害はありませんでしたがJR線が一時運転を見合わせるなど影響がありました。

――関東地方でも最近地震が多い気がしますが?

中濱記者:
地震の震源それぞれは異なりますが、深夜の地震などはやはりビックリしますよね。もともと関東地方は、地震を発生させるプレートがしかも複数重なる場所の上に成り立っている世界でも例を見ないような地震が起きやすい場所です。

気象庁地震津波監視課で長年勤務され、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんはこの茨城南部を震源とする地震について「この関東地方の下にあるフィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震だと言います。この震源の近くには地震活動が活発なエリアがあってマグニチュード5程度の地震が繰り返し起きている」ということです。

マグニチュード5程度の地震では震度5くらいになったりすることもあって、震度5ではブロック塀が倒れたりすることもありますので注意が必要です。

今回、注目した以外のエリアでも地震への備えを改めて考えて欲しいと思います。