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【解説】わずか20分でM5クラスの地震相次ぐ 8月に入って地震続く北海道北部

2022年8月15日 21:32
【解説】わずか20分でM5クラスの地震相次ぐ 8月に入って地震続く北海道北部

8月11日未明に北海道北部でマグニチュード5クラスの地震が相次いで発生し、震度5強と5弱の揺れとなりました。この地域では4日にも震度4の地震がおきています。地震のメカニズムは?今後の注意点は?社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。

■8日から14日は震度1以上の地震が58回、震度3以上は8回発生

8月8日から14日までの1週間、国内では震度1以上の地震が58回ありました。

このうち震度3以上の地震は8回発生しました。

▼8日午前9時46分ごろ、岩手県沖を震源とする地震で山田町(やまだまち)で震度3を観測しました。

この地震の規模はマグニチュード4.1でした。

▼14日午後7時14分頃、石川県能登地方を震源とする地震があり、珠洲市で震度3となりました。
マグニチュードは4.1で震源の深さは10キロ。

能登半島は、2020年12月頃から始まった地震活動が活発化している場所です。

2022年6月には震度6弱の地震もおき、非常に活動が活発になりました。

金沢地方気象台によりますと6月は震度1以上の地震が1か月間に45回、その後7月は9回と少なくなりました。8月はこれで2回目です。

政府の地震調査委員会からも、地震活動は当面続くという見解もでています。改めて家具の固定や転倒防止をお願いします。

また北日本や北陸では今月に入って雨の日が多く記録的大雨のところもあります。大雨のあとの地震で崩れやすい崖の近くなども注意が必要です。

そして夏休み等で、普段から、その地域の事を知らない人も多くいます。避難経路の確認なども改めて大切です。

■未明に北海道・中川町で震度5強の地震

▼11日午前0時53分頃、北海道の中川町(なかがわちょう)で震度5強、震度4を遠別町(えんべつちょう)、猿払村(さるふつむら)、豊富町(とよとみちょう)、幌延町(ほろのべちょう)で観測しました。

地震の規模を示すマグニチュードは5.4、深さ4キロでした。

■未明に北海道・中川町で震度5強の地震

中川町では震度5強の強い揺れを観測しましたが、大規模な土砂崩れや建物が大きく倒壊するといった被害は出ていません。

ただ、道路には大きな亀裂や地割れが見られます。

■震度5強の約20分前にも震度5弱の地震が

震度5強の地震は午前0時53分頃に発生しましたが、時間をさかのぼっておよそ20分前に0時35分ごろに震度5弱の地震がおきていました。短い時間に強い揺れに見舞われました。

2016年の熊本地震でも、本震の前に前震と呼ばれる地震がおきていました。

気象庁は、今後1週間程度は同じ規模の地震に注意するように呼びかけています。

■宗谷地方から上川地方で相次ぐ地震、この付近の地震活動は?

11日に震度5強の地震がおきたエリアは、8月4日にあった最大震度4のエリアと比べると南に約30キロ程度離れています。

今回の地震も前回の地震もメカニズムは東西方向に圧力軸をもつ地震、左右からおされた事によって発生した逆断層型の地震です。

過去にマグニチュード6を超えるような地震はおきていないエリアですが、震源の深さ4キロと浅い地震で、マグニチュード5でも震度5強や震度6弱になる可能性があるので、引き続き注意が必要です。

また少し西には南北方向に走るサロベツ断層帯もあります。

■大きな地震でなくても震源が浅いので大きな揺れに注意

地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは以下のように話します。

「この付近は大きなマグニチュードの地震はないが、時々、まとまった地震活動が見られる所です。震源が浅いので、小さなマグニチュードでも大きな揺れを伴います」
「寝室のタンスが倒れ、周囲には割れたガラスが飛散している被害も出たようです。寝ている状態ではとっさの行動はできません。国内で地震に安全な所はありません。寝室には背の高いタンスなどは置かない。どうしても置く必要がある場合には壁に固定するなど、個人でできる事前対策が命を救います」

寝室の地震対策のほかにも、枕元に置いておいた方が良いものなどの確認も改めてお願いします。

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