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安倍元首相きょう四十九日 警護の検証結果を公表 最大の要因は「後方の警戒の空白」

2022年8月25日 20:43
安倍元首相きょう四十九日 警護の検証結果を公表 最大の要因は「後方の警戒の空白」

25日、銃撃され亡くなった安倍元首相の四十九日を迎え、事件現場では手を合わせに訪れる人もいました。警察庁は警護の検証結果を公表すると共に、中村格長官が辞職する意向を明らかにしました。

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四十九日を迎えた25日、安倍元首相の自宅には次々と花束が届きました。また、奈良・大和西大寺駅前の事件現場では、手を合わせに訪れる人もいました。

大分県から献花に来た人
「遠くても歴史的な大事件だから、現場に来て、花をあげたいなと」

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安倍元首相はなぜ、凶弾に倒れたのでしょうか。山上徹也容疑者の鑑定留置が進む中、警察庁は当時の警護状況などの検証を行ってきました。

25日の会見では、警察庁の中村格長官は「人心を一新して、新たな体制で警護に臨むべきだと。本日、国家公安委員会に辞職を願い出た」と辞職の意向を明らかにしました。

また、中村長官は「警護が抱える問題は、相当程度洗い出されたと認識。全身全霊をかけて取り組むと申し上げた」と述べ、警察トップの威信をかけて行ったという検証結果を発表しました。

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主な原因とされたのは「現場における警護の問題」、「警護計画上の問題」の2つです。

まずは、「現場における警護の問題」についてです。当時、安倍元首相のそばに配置されていたのは、4人の警護員でした。本来、このうちの1人はガードレールの外側で、主に後方の警戒にあたる予定でしたが、前方の聴衆を警戒するため現場の判断で内側へ。全員が聴衆の集まる前方部分を中心に警戒していたといいます。つまり、後方部分は手薄な状態でした。

事件発生の約1分前。山上容疑者はその後方部分へ動き始めます。実際の映像でも、山上容疑者は、安倍元首相の背後から移動していました。

発砲の23秒前。ガードレールのそばを自転車が通り、5秒ほど立ち止まります。その間に、後ろから台車を押して歩く人もいて、安倍元首相の後方にいた警護員は警戒し、視線をこの人たちが進む方へ移してしまいます。その隙をついたのでしょうか。山上容疑者は、安倍元首相の後方へ接近しました。

そして、午前11時31分6秒に1発目の発砲。後方を警戒していなかった警護員4人は一斉に振り返りますが、この時、誰も銃によるものだとは気づけず、約2.7秒後に2発目が発砲され、致命傷になりました。

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25日午後に開かれた会見で、警察庁の中村長官は、「1発目の明らかな異音を認識した時点で、動くべきだったのではないかとの意見がある」ことに対し――

警察庁 中村格長官
「1発目の発砲の前の段階で、警護員が被疑者の接近に気付いているべきだった。その必要があったというのが、まず第一だったという評価」

「発砲前に山上容疑者の接近に気づくべきだった」とした上で、事件の最大の要因は「後方の警戒の空白だった」としています。

これを生じさせたのが「警護計画上の問題」でした。事前の警備計画の時点で、後方の危険性について明らかだったにもかかわらず、「見落とされていた」「明らかな不備があった」と結論づけました。

警察庁 中村格長官
「都道府県警察の責任で警護を実施する。現在の仕組みに限界が生じている。警察庁の関与の抜本的強化を主な柱とする、新たな警護警備のあり方を打ち出しました」

当面は原則、全ての警護について、警察庁が事前に計画を確認するなど、新たな警護ルールを26日から開始します。

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さらに、国家公安委員会の谷公一委員長は「奈良県警察の責任がある者に対して、しかるべき処分を行うこととなった」と述べ、奈良県警本部長の処分も決定しました。
 
25日午後4時半すぎ、奈良県警の鬼塚友章本部長は会見を開き、「辞職を願い出ましたところ、本日ご承認をいただいたところであります。責任の重さに押しつぶされそうになる毎日でした」と述べ、辞職の意向を明らかにしました。

他にも、安倍元首相の警護に携わっていた警備部の警視(60)、現場で指揮官をしていた警備課長の警視(54)をそれぞれ減給。同じく警備課の次席(44)と係長(45)を戒告処分にするとしました。

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