大川原化工機・元顧問の死亡めぐり遺族側の訴え退ける 東京高裁
機械メーカー「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で、勾留中に体調が悪化しその後亡くなった元顧問の遺族が国を訴えた裁判で、東京高裁は6日、遺族側の訴えを退けました。
「大川原化工機」の元顧問・相嶋静夫さんは、軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして、社長らと共に警視庁公安部に逮捕された後起訴が取り消されましたが、勾留中に胃がんが見つかりその後、亡くなりました。
遺族は、東京拘置所が適切な医療行為を怠ったため相嶋さんが亡くなるのが早まったとして国に損害賠償を求めましたが、今年3月、東京地裁はこの訴えを退け、遺族側は控訴していました。
東京高裁は6日の判決で「一般の病院・診療所に求められる医療上の措置を行わなかったとは認められない」として、1審に続き、遺族側の訴えを退けました。
判決後、相嶋さんの長男は「率直に残念でした」「今後同じような犠牲者がでないように改善して欲しい」と話しました。