「大川原化工機」えん罪事件で勾留され胃がんで死亡の元顧問の拘置所医療めぐる訴訟 遺族が控訴
「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で、勾留中に体調が悪化し、のちに胃がんで亡くなった会社の元顧問の遺族が国を訴えた裁判で、遺族は4日、訴えを退けられた1審判決を不服として、控訴しました。
機械メーカー「大川原化工機」は、軍事転用可能な機械を不正に輸出したとして社長ら3人が警視庁公安部に逮捕されその後起訴が取り消されましたが、逮捕された元顧問の相嶋静夫さん(当時72)は勾留中に悪性の腫瘍が見つかり、のちに胃がんで亡くなりました。
相嶋さんの胃に悪性腫瘍が見つかるなどしても、東京拘置所は、適切な治療などを行わなかったとして、遺族は国に損害賠償を求めましたが、東京地裁は先月、「拘置所の診療行為には合理性がある」として、遺族側の訴えを退けていました。
これを受け、遺族は4日、「一般の医療水準を基準にすれば拘置所の医師の対応は適切だったとはいえない」として控訴しました。