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日常戻りつつも…復興状況に地域差「片付け1~2年で終わらない」 能登半島地震から37日

2024年2月6日 19:14
日常戻りつつも…復興状況に地域差「片付け1~2年で終わらない」 能登半島地震から37日
能登半島地震から37日がたちました。少しずつ復興に向けた動きも進んできていますが、そのスピードには地域によって差も出てきています。多くの支援を必要としている地区を取材しました。

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6日朝、石川県輪島市の高校に登校したのは、休校となっていた市内の小中学校の子どもたちです。

「おはようございまーす」

教師
「おはよー。元気にしとった」

子どもたちが通っていた小中学校は、地震で使えない状況に。そこで、この高校の一部を使って、再び学校生活を送ることになりました。

小学校2年生
「みんなでおしゃべりして一緒に遊びたいです」

これで石川県内全ての公立小中学校が再開したことになります。

珠洲市でも、市内の一部の小中学校で5日から給食が再開。手作りほかほかの給食に、子どもたちは…

小学生
「一番おいしかった」
「普通の生活が戻ってきて、とってもうれしいです」

断水の中、食器にラップをして、洗い物に使う水を節約します。苦労の末、徐々に日常が戻りつつあります。

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ただ、復興状況は地域によって差が出ています。

記者
「能登町白丸地区です。こちらには津波で流されたがれきが、今も残されています」

能登町白丸地区では、最大震度6強の揺れと津波の爪痕が、今も色濃く残されています。取材中に出会ったのは、この場所で生まれ育った寺岡勇紀夫さん(82)です 。

寺岡勇紀夫さん(82)
「そこにあった建物がね、奥の方に押されちゃって、自動車も一緒に。夢にも思わなかったですね、うそだろみたいな」

家も車も、ほとんどの持ち物を、あの日奪われました。

寺岡勇紀夫さん(82)
「下着類も、ももひきなんかね。上なんか半袖しか着てませんわ。夏ならいいけど冬でしょ。それで1日でも早くがれきを取り除いて、水道がくるようになって、家も潰して(片付けて)もらいたい」

今は避難所に身を寄せていますが…

寺岡勇紀夫さん(82)
「本当は自分の家建てて住みたいですわ。ボランティアの人が来て運んでくださるのが一番いいんだけど」

ボランティアなど支援が限定的なため、自ら片付けをするしかない別の男性は、次のように話しました。

坂元信夫さん(67)
「1年2年で終わらないと思う。国が、がれきとか処理してくれればいいけど。自分の屋敷を片付けてくださいと言われても、到底無理です。あとはボランティアの方に頼んで運んでもらうかしないと、高齢者多いですから」

地震から1か月以上がたち、思うことを聞きました。

3人家族で自宅避難 能登町民(36)
「娘( 9歳)、子どもの心の安定。それは日常が戻ることだと思うので。子どもらって無意識に我慢して頑張っているなって。子どもらのケアが心配だなって思います」
「どこで被災した方も被災の程度はあるんですけど、みなさん苦しんでいて毎日毎日一生懸命頑張って生きている。能登町のことは本当に大変やと思います。奥能登の人は何年も戦っていくと思う」