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【解説】テレビ金沢・越崎成人アナウンサーが語る「被災地は今…」

2024年1月2日 1:38
【解説】テレビ金沢・越崎成人アナウンサーが語る「被災地は今…」
テレビ金沢 越崎成人アナウンサー

高校サッカー中継のため都内に出張していた、テレビ金沢の越崎成人アナウンサーが日本テレビ報道局に駆け付けて下さいました。今回、石川県で発生した最大震度7の地震が起きた地域は2年前の大地震発生以降、何度も取材で訪れています。詳しく解説してもらいました。
聞き手:後呂有紗アナウンサー 解説:越崎成人アナウンサー(テレビ金沢) 文:藤田大介アナウンサー



後呂アナウンサー
「テレビ金沢の越崎成人(こしざき・なると)アナウンサーに聞きました。よろしくお願いします。今回地震が起きた地域というのはどういった地域だったんでしょう?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「そうですね。いわゆる能登半島というところで、海に囲まれている地域です。特に珠洲市内浦(うちうら)と呼ばれる地域なんですが、家が海から非常に近い場所に建ち並んでいます。ここは漁師町なんですが、場所によっては、海岸線から直線距離で5m~10mぐらいのところに家があるというところです。また東日本大震災を教訓にして作られた三陸地域のような高い防波堤などもない地域なので、本当に小さな津波でも心配な地域になります」

後呂アナウンサー
「その地域に一時、大津波警報が出ました」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「この石川県珠洲市には、去年一昨年と結構大きな地震がありました。そのため、大きな揺れに備えて比較的、対策をされている方も多くなってきました。ただ、大きな津波というのは過去になかったため、慣れてない方が多い地域なんです」

後呂アナウンサー
「津波に慣れていない方が多いということですが、避難しなければならない場合、どのような場所に避難すればいいのか、地元の方はわかるものなのでしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「能登半島の先端、珠洲市では、去年、一昨年と大きな地震があったので、それ以降、避難訓練は数多くやってきました。ただ、今日は元日(1月1日)ということで、この地域に、帰省している方がかなり多くいると思われます」

後呂アナウンサー
「という事は、何が考えられますか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「普段、訓練慣れしていない人や、避難経路がわかっていない人も結構いるのではないかと思って、心配しています」

後呂アナウンサー
「帰省している方が多いという事は、若い人の助けは借りられる状況なんでしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「いいふうに捉えればそうかもしれないですね。確かに高齢の方がかなり多く住んでいる地域なので、若い人が戻ってきて、声を掛け合いながら何とか避難して欲しいなっていう思いもあります。ただ一方で、正月なので本当に小さな子どもや赤ちゃんとかも今、家族と一緒に帰省している可能性もあるので、その方々がうまく避難できたか、今どうしてるのかというのが本当に心配です」


後呂アナウンサー
「また、輪島市では火事も起きていましたね」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「そうですね。この辺りは本当に小学校から高校もあって、避難場所にも指定されています。ですから、そこに避難する予定だった人たちが避難できないという状況になっていると思います。パニックになっていないか、そのあたりも案じています」

後呂アナウンサー
「気になりますね。短い時間の中で津波からも火事からも身を守る行動をとるというのが必要だったということですか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「本当に地域のみんなで声を掛け合って避難してほしいなというふうに思いますね」

後呂アナウンサー
「消火活動というのは進んでいるようにみえますか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「そうですね。まだそこまで進んでるっていう情報が入ってきていません(午前1時現在)。あの輪島市辺りの地域は消防団で結構支えられている地域なので、1月1日っていうこともあってどれだけの人がいるのか、人が足りているのかっていうのもちょっと気になります」

後呂アナウンサー
「そして今日もかなり寒い気温だという情報が入っていますけれども、ここ最近の現地の気温だったり天気というのはどういった状況でしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「12月中旬に大雪が降ったんです。そのとき一気に雪が積もったんですが、それ以降はあまり雪は降っていません。少しずつ気温が上がったところもあったんですが、またここ最近一気に気温が下がって、特にこの夕方から夜にかけては1桁台まで冷え込みます。さらに夜になれば気温が氷点下になるところも場合によってはあると思います。電気も止まっているっていうことです。そして能登半島の珠洲市では、去年一昨年の地震でまだ仮設住宅で生活をしている方もたくさんいらっしゃるので、そのあたりが寒さ対策っていうところも心配ですね。」

後呂アナウンサー
「珠洲市、輪島市それぞれの地形的な特徴というのはあるんでしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「海に近いっていうところ、それから家が密集していたりとか、道路が狭かったりとか、あと古い建物が多いっていうところもあるので、火事もそうですけれども、一気に広がっていくっていうところも心配ですし、大きな山はないんですけれども、小さな山が結構数多くあるんです。珠洲市は、軽石で有名な珪藻土がたくさん含まれている山なんです。去年一昨年の地震でもそうだったんですが、結構その珪藻土の山が土砂崩れになり、集落が孤立するっていうこともあったので、もしかしたら、今回の地震でもそういう場所があるかもしれません」

後呂アナウンサー
「珠洲市の映像では、集落の近くの山から、その煙のようなものが上がっていたという情報もあったんですけれども、そういったところはいかがでしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「本当に土砂崩れが起きてもおかしくない地形っていうのは数多くある地域ですし、あと集落ごとがかなり距離があったりするのです」

後呂アナウンサー
「という事は集落同士をつなぐ道路があると思いますが…」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「集落から集落までの道が1本しかないというところが多いので、その道路がもう寸断されると、孤立してしまうということも考えられます。ライフラインも止まってしまうことになるので、今回の地震の影響でその辺りの被害が気になりますね」

後呂アナウンサー
「また揺れが続いている状況ですから、なるべく安全を確保して揺れに備えた上で、過ごすということも大切ですね」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「その通りですね。寒さだったり、夜も遅くなって暗くなって、街灯もないですし、そもそも電気も止まっているっていうことなので、無理に動かないっていうことがもしかしたら大事なのかもしれないですね。周りの状況を確認しながら慎重に判断したいですね」

後呂アナウンサー
「地元の方に伝えたいことはあるでしょうか?」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「そうですね。本当に今、帰省して家族で過ごしているっていう方もたくさんいらっしゃると思うんですが、一方で本当に一人暮らしの高齢の方が、多い地域ですので、もう本当にパニックになっていないかというのが心配ですね。本当に慌てずに、地域の皆さんで声を掛け合って…必ず自治体だったりとか助けは来るので、今我慢するときだけ多いので、声を掛け合って乗り越えてほしいと思います」

後呂アナウンサー
「さらに地域のテレビ局だからこそ細かい情報が伝えられますね」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「そうですね、ローカルホストなので、本当に細かい地域まで取材して、正確な取材をもとにした情報を放送していくので、自分の住んでいる地域がどうなっているのか、自分の周りの地域がどうなっているのか、地域密着情報を入手するためにはテレビメディアを見ていただきたいなと思います。ネットなどに上がってる情報は正しいかどうかわかりません。ぜひテレビや公的機関から発信される情報を信じてもらいたいと思います」

後呂アナウンサー
「大変な中ありがとうございました」

越崎成人アナウンサー(テレビ金沢)
「ありがとうございました」