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勤務実態ない職員に給与支払いか 東京女子医科大学と理事長自宅など一斉捜索

2024年3月29日 20:34
勤務実態ない職員に給与支払いか 東京女子医科大学と理事長自宅など一斉捜索

29日、警視庁は東京女子医科大学の関係先に一斉捜索に入りました。大学のOGなどからなる同窓会組織「至誠会」から勤務実態のない職員に給与が支払われていた疑いが強まり、実態解明が進められています。

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記者
「現在午前8時すぎです。捜査員が中に入っていきます」

警視庁が29日、家宅捜索に入ったのは東京・新宿区にある東京女子医科大学と、岩本絹子理事長の自宅などです。

捜査関係者によると、特別背任の疑いがもたれているのは、東京女子医科大学の同窓会組織「至誠会」の元職員の女性と元事務長の男性の2人です。元職員の女性は、2020年から2022年にかけて、元事務長の男性と共謀して、至誠会から不正に約2000万円の給与を受け取った疑いがもたれています。

岩本理事長(77)は当時、至誠会の代表理事を務めていました。さらに元職員の女性は、岩本理事長が経営する病院の元従業員だったといいます。

岩本理事長をめぐって、現在の至誠会の代表理事は…

至誠会 代表理事
「理事会に諮っていない、社員総会でも決められていない、3人に対する不正な支出。わかっただけで1億4000万円くらい。3人は理事長本人と事務職員2人ですね」

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ほかにも以前から、疑惑をもたれていた岩本理事長(77)。去年、「至誠会」の臨時総会では一連の疑惑について、次のように発言し、疑惑を完全に否定しました。

岩本理事長(去年の臨時総会)
「私が横領したみたいな話がフェイクニュースでいっぱい流れまして、非常に迷惑というか困っている。私は自分なりに精いっぱいこの30年間やってまいりました。私は決して至誠会とか女子医大を裏切るようなことは、一切しておりませんので、それだけは申し上げておきます。損害与えるというようなことは100%、200%ありえません」

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岩本理事長をめぐっては、一部の卒業生らが背任の疑いがあるとして去年3月、警視庁に刑事告発しています。その告発メンバーの1人は、岩本理事長に対しては、“モノが言えない”状況になっていたといいます。

告発メンバーの1人
「理事長になったときに周りにイエスマンしかいないような状況に固めて。人と人との信頼感で成り立つのが医療だと思うんですけど、そういう発想はまるでないように見えますね」

警視庁は今後、押収した資料を分析し、金の流れについて実態解明を進める方針です。