東北地方で降った記録的な大雨の影響で、大きな被害が相次いでいます。山形県では最上川が氾濫し、土砂崩れや浸水被害が発生、近隣住民が緊迫した当時の様子を語りました。
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記者（山形・新庄市、26日午後3時過ぎ）
「最上川（の支流）が見えました。かなり茶色く濁った濁流が幅広く流れている様子がわかります」
東北を襲った記録的な大雨。住民はこう語ります。
住民
「すさまじい雨でした。今回のはもう、過去最悪」
各地で、被害が相次いでいます。
記者（山形・酒田市、26日午前10時頃）
「最上川上空にきています。橋のぎりぎりのところまで川の水がせまっています」
今にものみ込まれそうな橋。その上を車や自転車が走っています。記録的な大雨によって最上川が氾濫しました。
記者（山形・酒田市、26日午前10時頃）
「どこかから流れてきたんでしょうか、遊覧船ですかね」
「完全に道がなくなっています」
山形県内を229キロにわたって流れるこの川は、1つの県を流れる川の長さでは日本一です。そのため、川沿いには多くの建物が建っていて…
記者（山形・新庄市、26日午前10時半頃）
「住宅は浸水してしまっています」
川の水が堤防を超え、浸水した場所もありました。
記者（山形・新庄市、26日午前10時半頃）
「消防隊による排水作業が行われているのでしょうか」
普段、田畑が広がる場所はまるで湖のようになっていました。
記者（山形・酒田市、26日午前）
「こちらの交差点、道路が冠水してしまっています。その先には住宅街もあるが、そちらまで広がっている」
県内では、最上川の他にも複数の河川が氾濫しました。
25日から26日朝にかけて、2度の大雨特別警報が出された山形県。橋が崩落し、高速道路も崩落しました。土砂崩れも相次ぎ、舟形町では民家1棟が巻き込まれ、80代の女性が足にけがをしました。
川の氾濫で孤立した集落もあります。
記者（山形・戸沢村、26日午前10時半頃）
「完全に孤立してしまっているようです。辺り一面水に覆われています」
山形県の戸沢村。普段は周辺に田んぼが広がっていますが、最上川の氾濫によって一帯が浸水。孤立状態となりました。
その上空を自衛隊のヘリコプターが飛んでいました。住宅の屋根の上、自衛隊員と住民でしょうか、引き上げられていきました。
その後も…
記者（午前11時半頃）
「住民の方がヘリコプターにつり上げられました」
次々と住民が救助されました。
救助要請を受け、駆けつける道中、被害にあった人もいました。田んぼで横転していたのはパトカーです。26日夜、一般人3人の救助要請を受け、2人の警察官が出動したといいます。しかし、現場に向かう途中、橋の近くで流されたとみられ、行方不明に。朝から懸命な捜索活動が行われていました。
午後3時頃、現場近くにはブルーシートを運ぶ消防隊員らの姿がありました。現場近くの下流で男性1人が心肺停止の状態で発見されたのです。行方不明になった警察官の1人とみられています。
記者（山形・新庄市、26日午後5時過ぎ）
「パトカーなど車が流された現場に来ました。今は雨はやんでいますが、まだあのように車が点在しているのがわかります。その横には多くの救急隊員や救急車両も見えます」
その近くには家族でしょうか、じっと現場を見つめ、涙を流す人たちの姿もみられました。
広い範囲で被害をもたらした“記録的豪雨”。
住人（山形・酒田市）
「水はこの辺まで来て、上に上がるぎりぎり程度まで。もう少しで上がるところでした」
一時、自宅の前が川のようになっていました。
住人
「足を入れるとすくわれるような感覚。激流というか」
「（物が）浮き上がって全部ゴミに出さなければならない」
断水も発生しているといいます。
住人
「（断水の）回復がいつになるかわからないですけど」
「ずーっとすごい雨。あんな雨見たことないです、いままで」
秋田県でも24日の夜から記録的な大雨となりました。
一夜明けた上小阿仁村。
記者（26日午前6時前）
「目の前が湖のようになっています」
村内を流れる五反沢川の水が道路にまであふれ、流木が押し寄せました。その寸断された道路の前で立ちつくしていた男性。
地元住民
「短時間にかなり激しく降って、そのあと堤防が決壊して」
上空からみると、堤防が決壊した様子がはっきりと分かります。茶色く濁った水が広い範囲をのみ込みました。
早朝から道路の泥かきなどに追われていたのは、北秋田市阿仁合地区の住民です。朝までの24時間で245.5ミリ、7月の観測史上最大の大雨に見舞われました。
家屋への浸水被害も出ています。
──どこから入ってきた？
薬局店店主
「最初はここ。ここからあふれてきた」
未明に扉の隙間から薬局の店内に水が入ってきたといいます。その高さ15センチほど。さらに住宅部分も浸水。
薬局店店主
「家に（水が）入ったのは生まれてこのかた初めてです」
山形県と秋田県では30日まで大雨となる恐れがあり、引き続き土砂災害などへの厳重な警戒が必要です。
