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増える超高層ビルにタワマン…長周期地震動が緊急地震速報に追加された事情とは

2023年2月1日 20:03
増える超高層ビルにタワマン…長周期地震動が緊急地震速報に追加された事情とは

地震の際に1回の振幅の時間が長い「長周期地震動」というゆっくり揺れる地震波によって高層マンションや長い橋などは非常に大きく揺れるケースがあります。東日本大震災の際にはこの長周期地震動によって東京や大阪で高層ビルが大きく揺れて被害が発生しました。

気象庁はこの長周期地震動による揺れについても、2023年2月1日から緊急地震速報を発表して注意喚起することになりました。なぜ長周期地震動が追加になったのでしょうか?

■そもそも長周期地震動ってどんなもの?

高層ビルの高いところが非常に大きく揺れる長周期地震動とはどういうものなのでしょうか。

地震が起きると、1秒間に何度も揺れる周期の短い揺れだけでなく、一回の揺れで行って来いする時間が何秒もかかるようなゆっくりとした周期の長い揺れも発生します。木造住宅などが被害を受けやすいのは、1秒間に何度も行って来いを繰り返す短い周期の地震動です。

一方、1回の揺れが3秒とか6秒もかかるようなゆっくりした揺れでは、超高層ビルや長い橋などが非常に大きく揺れることがあります。この周期の長いゆっくりとした大きな揺れのことを長周期地震動といいます。長周期地震動による高層ビルへの影響について、日本建築学会は報告書のなかでつぎのように指摘しています。

◆超高層建物は大きな揺れが長時間継続する

◆柱などは大丈夫だとしても、天井や仕切り壁などの非構造部材の損傷は可能性が極めて高い

◆家具や什器類が移動・転倒する可能性が極めて高く、ローラーがついている大型のコピー機などは凶器のようになってフロアを動き回る

◆地域によって特性が違い、超高層建物の構造特性にも差があるので、個々の建物ごとに異なった揺れ方となり被害も違ってくる

◆高層階で揺れを経験すると恐怖感から精神的なダメージが大きいので、所有者・使用者・居住者への啓発が重要

長周期地震動は規模の大きな地震ほど発生することが多くなり、周期が長い地震動ほど遠くまで伝わりやすいという特徴があります。また、地盤によっても影響がかわり、堆積層の地盤では揺れが増幅され建物などの揺れも大きく長く続くことになります。

このため、堆積層の厚い地域にある東京・名古屋・大阪の三大都市圏などでは長周期地震動による揺れに特に警戒する必要があります。

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