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災害時こそ…「その情報、本当に正しい?」 SNSにはびこる“災害デマ” だまされないためには? 注目は「正方形」「不自然な点」「出所」

2024年1月2日 15:28
災害時こそ…「その情報、本当に正しい?」 SNSにはびこる“災害デマ” だまされないためには? 注目は「正方形」「不自然な点」「出所」

石川県能登地方で震度7を観測した地震で、SNS上では、現地の被害の大きさを訴えたり、救助を呼びかけたりする投稿が相次いでいます。そんな中、要注意なのが“災害デマ”。2022年9月には、台風で大きな被害を受けた様子だとして、町が水没しているような画像がツイッター(現X)に投稿されました。しかし、その画像はAIが作成した“デマ画像”でした。災害時のいまこそ、「その情報が正しいのか?」と慎重になることが必要です。

(※2022年9月27日『news zero』より)

■水没の画像...「虚偽」と知りツイート

有働由美子キャスター「『ドローンで撮影された静岡県の水害。マジで悲惨すぎる...』というツイートが、9月26日になされました。町全体が水没していたり、住宅が流されたりしている衝撃的な写真が、台風15号の影響で大きな被害を受けた静岡県の様子だとして投稿されました」

「これを事実かどうか検証する『ファクトチェック』をした結果、『正確』から『ミスリード』『根拠不明』など7段階あるなかで『虚偽』でした」

■投稿写真を分析...不自然な部分は?

小野高弘・日本テレビ解説委員
「虚偽というのは、事実の誤りがあって、事実ではないと知りながら伝えたということです。実際に投稿された(3枚の)写真を見てみると、おかしなところが多くあります」

小野委員
「ITジャーナリストの篠原修司さんによると、電柱がどこにもないことが3枚の写真に共通しています。また家と木が入り乱れ、家の中から木が出ているような不自然な状態や、濁流が見える一方で急に穏やかな所があって水の流れが不自然な部分もあります」

「これは、英文で入力するだけで画像を作ってくれるAIで制作したもので、ツイートした本人が偽物だと認めています」

「静岡県危機情報課の担当者も『こんな状況ではない。大雨被害とは関係ない』と、この投稿を否定しています。その上で『デマ画像を流すことはやめてほしい。ツイートを見た人も冷静に対応していただきたい』と呼びかけています」

■ジャーナリスト「正方形なら注意を」

有働キャスター
「今はAIで精巧な画像を簡単に作れますし、小さい画面では一見して判別できません」

小野委員
「どう判断すればいいか。篠原さんによると、今回でいえば画像の縦横比が正方形であることも1つだといいます。最近主流の画像制作AIは初期設定が正方形になっているそうで、実際の写真でも正方形だと、トリミングしているのかなと思ってしまいます」

「篠原さんは『正方形の画像を見たら、フェイクの可能性があると思って立ち止まる必要がある』と話しています」

■落合さん「情報の出元の確認を」

有働キャスター
「落合さんは専門家ですが、なんとか見分ける方法はありますか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「コンピューターグラフィックスは専門の1つですが、僕は見分けがつかないですね。今でもうまく作られた画像は人類には見分けがつかないですし、正方形の画像は世の中に多くありますので難しいと思います」

「これと同じような手法で画像を作ってみましたが、生成時間は8秒とか10秒です。今回の(問題の)画像はたまたまアラがあるだけで、例えば電柱がない場所は世の中にありますし、ある程度水に被覆されたら分からないし、解像度を上げられるAIも存在します」

「つまり、画像そのものではなくて情報の出元や、誰が出している画像かに当たらないと、真偽を判別するのはほぼ不可能だと思います。画像からでは分からないと思います」

有働キャスター
「特に災害の最中にデマを流すということは、二次災害を引き起こしたり、救助活動のかく乱につながりかねません。危険で悪質な行為です。過去には逮捕された事例もありますので、言うまでもありませんが、絶対にやめてください」