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気持ちを“お天気マーク”で表現 子どもの心のSOS…早期発見の取り組み

2023年5月4日 19:40
気持ちを“お天気マーク”で表現 子どもの心のSOS…早期発見の取り組み

元気な時は「晴れ」、嫌なこと悲しいことがあった時は「雨」など、デジタル端末を通して心の状態をお天気マークで表してもらい、児童・生徒が抱える問題や小さなSOSを見逃さないようにする取り組みが進められています。

■いじめ・不登校の児童生徒数が過去最多 子どもの小さなSOS

文部科学省の調査によると、2021年度の小中学校におけるいじめや不登校の児童生徒の数は24万4940人と過去最多に。いじめや不登校については、ささいな出来事や小さな問題などを放置したり、見逃したりした結果、重大事態につながっていることなどが指摘されています。

こういった状況を受け、「なんとなく心に引っかかっていることを話したい」、「困ったことがあるけど先生に話すのは勇気がいる」など、問題や悩みの早期発見を目指し、小さなSOSを見逃さないための取り組みが、いま全国の小中学校で進められています。

■デジタル端末利用し“お天気マーク”で気持ちを表現

「心の天気」は自分のその時の心の状態を「晴れ」や「雨」など、天気に見立てて入力してもらうアプリです。一人に一台配布されているタブレット端末などを活用して、現在、愛知県や大阪府などの一部の小中学校でこのアプリが取り入れられています。

大阪市の香蓑小学校でも、およそ2年前からこのアプリを利用した取り組みを実施。子どもたちに朝礼とその日の授業が終わる前の2回、その時の心の状態を“お天気マーク”で表してもらっています。

●「晴れ」は元気、いつも通り
●「曇り」は少し元気がない
●「雨」は嫌なこと、悲しいことがあった
●「雷」は何か腹が立つことがあった、怒っている

このような具合に、4つの“お天気マーク”からその時々の自分の気持ちを子どもが選び、入力された天気によって先生が個々の子どもの心の状況を把握できる仕組みです。

このアプリを使った取り組みについて、香蓑小学校で教務主任を務める甲斐絢子さんは「“晴れ以外のマーク”が出ている時は声をかけるようにしている。子どもたちの心の状態を知ることができ、クラス内で起きている出来事について、トラブルや小さな問題をとりこぼさずに、子どもたちへの理解を深められている」と話します。

例えば、朝は“晴れマーク”だったのに、帰りの会では“雨マーク”になっていた子どもに話を聞くと「昼の掃除をさぼる子がいるけど、うまく注意できず気まずくなってしまった」と相談が。帰り際に声をかけて、話を聞いた上で仲直りのアドバイスをして、後日、掃除の時間や当番などについてクラスで話し合う機会を設けたということです。

子どもの間で小さなわだかまりがあると、喧嘩やいじめなどもっと大きな問題に発展する可能性があるため、その日その日で話を聞き、なるべく早く解決に繫げることを心がけているといいます。

■小さな悩みを取りこぼさない意識

タブレットを使い、気持ちを“お天気マーク”で示すことで、悩みや不安などを打ち明ける心理的ハードルが下がり、わざわざ先生に個別で報告することではないけど、なんとなく心に引っかかっていることがある子どもや、自分から先生に助けを求めることが苦手な子どもが、SOSを出しやすい環境が作られているということです。

「小さな悩みを言おうか言わないでおくか迷っている子や、相談したいけど自分から発信しにくい子もいる中で、いつでも先生がみてくれるという安心感がある。こちらも『心の天気』をみた上ですぐに反応・対応ができ、お互いにコミュニケーションをとるための一つのツールとして活用できている」と先生は話しています。

また、日々気持ちを“お天気マーク”で入力をする利点について、子どもたちが自分の心と向き合い、気持ちの整理をする機会にもなっているということです。

■大切なのは日々のコミュニケーション

一方で課題も。高学年になると問題や悩みを抱えていても、周りの友達との関係性を気にしたり、先生に話をしたくない、自分の気持ちを正直にアプリで入力することをしない子もいるといいます。

こうした子に対してもしっかりとケアを行うため、授業や登下校時など日々様子を見て、日頃からコミュニケーションをとることを学校全体として心がけているということです。

大人から見れば何気ない小さな出来事でも子どもたちの間では大問題。子どもたちが積極的に気持ちをアウトプットできる機会を設けることや、気軽にコミュニケーションをとるように心がけることで子どもたちの小さなSOSを取りこぼさない取り組みが今後も求められます。