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藤井聡太「八冠」かけて王座戦へ 相手は“知り尽くした間柄” 「記憶に残るような対局に」 31日に第1局

2023年8月30日 18:32
藤井聡太「八冠」かけて王座戦へ 相手は“知り尽くした間柄” 「記憶に残るような対局に」 31日に第1局
史上初の八冠達成に向け、31日から藤井聡太七冠が王座のタイトルに挑みます。対局が行われる神奈川県秦野市では、前日でありながらすでにファンたちの姿も。早くも盛り上がりをみせていました。

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八冠制覇まで、あとタイトル一つ。対局を翌日に控え、藤井聡太七冠(21)が30日午後、挑戦への決意を語りました。

藤井七冠
「いつもより多くの人に来て頂いているので緊張感はあるが、多くの人の記憶に残るような対局にしたいなと思います」

ただ、迎え撃つのは「軍曹」との異名を持ち、勝てば「名誉王座」となる強敵、永瀬拓矢王座(30)です。

永瀬王座
「永世称号(名誉王座)はとても偉大な記録だと思っていますので、それに挑戦するのは初めてなんですけど、それに近づけるよう頑張らなければいけないと思っています」

31日に神奈川県秦野市で行われる「王座戦五番勝負・第1局」。大一番を前に、藤井七冠らは会場を訪れ、使用される駒などを確認しました。

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タイトル独占を狙う藤井七冠。全部で8つある将棋のタイトルのうち、藤井七冠は2020年に初めてのタイトル「棋聖」を獲得して以降、「王位」(2020年)、「叡王」(2021年)、「竜王」(2021年)、「王将」(2022年)、そして、今年に入って「棋王」と「名人」を獲得し、残すは「王座」だけとなっています。

そのタイトルを持っているのが、永瀬拓矢王座です。4期連続でタイトルの座につき、今回藤井聡太七冠を破ると、「名誉王座」の資格を手にします。

永瀬王座
「藤井七冠とは普段から将棋を教えて頂いていまして、こちらが引き上げて頂くばかりかなと思っています」

二人は、普段から練習をともに行い、手の内を知り尽くしている間柄です。

藤井七冠
「永瀬王座に普段から研究会をやって頂いていて、強さというのは知っていることが多いので全力でぶつかっていけれたらなと思っています」

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両者とも記録がかかった対局となる「王座戦」。前日にもかかわらず、神奈川・秦野市の会場の外には、すでに人の姿がありました。

「冥土の土産」と一目見たいという人や、中には「藤井先生にあげようと思って」と、鉄道好きの藤井七冠のために、電車のシールを持ってきたという人も。ただ、この人は、永瀬王座も“好きな棋士”とのこと。その理由は「おれ名字がナガセっていうからさ」ということです。

運命の王座戦。第1局の舞台は、創業105年の神奈川・秦野市の老舗旅館「元湯 陣屋」です。これまでおよそ200局ほどのタイトル戦が行われたといいます。

元湯 陣屋 宮﨑知子女将
「ここまでの注目度というのはなかなか…。なかなか体験することはないので、こちらも緊張しています」

慣れたはずの女将も、今回は特に緊張しているということです。

その陣屋の名物が「カレー」です。懐石料理の料理人が、一回の仕込みに100玉以上のタマネギを炒めて作っているといいます。これ目当てにくる将棋ファンもいるほど。実はこのカレーは、永瀬王座が去年、王座戦で“勝負メシ”に選んだといいます。今年はカレー好きの藤井七冠も選ぶのでしょうか。

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これまで、タイトル戦では17戦無敗と、大一番で圧倒的強さを見せる藤井七冠。史上初の八冠独占への偉業に、挑戦者として挑みます。

藤井七冠
「八冠に挑戦できるのはすごく貴重な機会かなと思っているので、それにふさわしい将棋が指せるように頑張りたい」