「鹿せんべい」自販機を奈良公園に設置 背景には鹿の“死活問題”が…
野生の鹿が名物の奈良公園名物に、鹿せんべいの自動販売機が設置されました。設置の背景には、鹿にとっての死活問題がありました。
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奈良公園名物、野生の鹿。“神の使い”とも呼ばれる国の天然記念物です。そんな“神の使い”と一気に距離を縮めることができるアイテムが、「鹿せんべい」です。
24日、新たに登場したのは、鹿せんべいの自動販売機です。公園内の2か所に設置されました。実は、その背景には、鹿にとっての死活問題がありました。
鹿せんべいは普段、対面で販売されています。店が出ていない時間は、鹿せんべい以外の食べ物を与える観光客も多く、鹿が病気になるなど問題となっていました。
奈良県ビジターズビューロー 中西康博専務理事
「(鹿に)フライドチキンをあげる人もいたりして、それが本当に動物にとっていいんでしょうかと」
鹿の保護に一役買うことが期待されるこの自販機。実は鹿せんべいが入っている箱もお米で作られていて、鹿が食べても問題ないよう工夫されています。
自販機での販売価格は500円。対面で買う200円の鹿せんべいよりも2倍以上の値段ですが――
観光客
「思い出に残ると思う。鹿にあげて、『高いの買ったから味がちょっと違うで』って言います、鹿ちゃんに」
売り上げの一部は、鹿の愛護活動の資金にあてられるということです。