シリアの武装組織に拘束され、その後、帰国したフリージャーナリストの安田純平さんが、パスポートの発給を拒否した国の処分の取り消しなどを求めた裁判で、東京地裁は25日、国の処分を取り消す判決を言い渡しました。

フリージャーナリストの安田純平さんは、シリアの武装組織に3年4か月にわたり拘束され、2018年に解放されましたが、帰国後、パスポートの発給を申請したところ外務省から拒否されました。

拒否した処分は違法だとして国の処分の取り消しなどを求めた裁判で、東京地裁は25日、安田さんが入国拒否措置を受けた国や、その関係国以外のすべての地域への渡航まで制約する処分は違法と判断。その上で、国が発給を拒否した処分を取り消す判決を言い渡しました。

安田純平さん「旅券が発給されないまま5年が過ぎた。帰国はしたけれども、その後も拘束状態がある意味続いていたわけで。それがようやく終わった」

安田さんは処分の取り消しは評価した一方で、「渡航の自由が国の裁量で制限できてしまう法律が残っていることは残念だ」と述べました。