【解説】どうする?自宅の防犯対策 狙われないためにできること
関東で強盗事件が相次いでいます。自宅でそれぞれ防犯のための対策をされていると思いますが、それが十分なのか、どう身を守ったらいいのか、不安に思っている方も多いと思います。そうした疑問について、防犯アナリストの桜井礼子さんに聞きます。
鈴江奈々キャスター
「街で聞いた防犯対策について伺います。『(防犯のため)宅配は家の前に置いてもらうか、宅配ボックスに入れてもらう』という声がありましたが、この対応については、どうでしょうか?」
防犯アナリスト・桜井礼子さん
「素晴らしいと思います。インターホンだけで対応して、宅配ボックスなどに入れてもらうというのは、とてもいいことだと思います」
鈴江キャスター
「対面で受け取らない方がいいと?」
防犯アナリスト・桜井さん
「その方がいいです。もう対面で受け取る時代ではないかなと思います。それプラス、さらにその荷物が『どこから』『誰あてに』『何の荷物か』を確認していただきたいと思います」
鈴江キャスター
「確認の仕方というのは、実際に玄関を開けてということですか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「いえ、ピンポーン『宅配です』と来たときに、『どこから』『誰あてに』『何の荷物か』をまず確認していただきたい。もしウソの宅配業者だったら“あっ、ここはマズいな”と思って、そこでいなくなる可能性があります。なので、ぜひそういった対策もプラスでやっていただきたいと思います」
鈴江キャスター
「続いて、『マンションだから大丈夫かなと思っている』という声もありましたが、こちらはどうでしようか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「いまの報道では、戸建て住宅が狙われているケースが多いです。でも、マンションが狙われないとは限らない。なのでマンションだから安心、と思わない方がいいと思います」
鈴江キャスター
「マンションで警戒する上で、何かできることはありますか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「『うちは、オートロックだから大丈夫』と安心している人がいますが、“オートロックはないよりもあった方がいい”という程度のものなので、オートロックを過信するのはダメです。なおかつ、自分の家に入り玄関の鍵をかけるときに、鍵をかけるのと同時に、ドアガードやドアチェーンもかける対応をしていただきたいです」
鈴江キャスター
「自宅にいるときも、二重で対策をするということですね」
忽滑谷こころアナウンサー
「私の女性の友人が、一人暮らしの防犯対策で、あえて見えるようにラグビージャージや道着などをベランダに干して、“強そうな男性がいますよ”と、におわせているのですが、これは効果的ですか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「それは効果的です。犯罪者は下見をします。そのときに、“がたいのいい男の人がこの家にはいるんだな”と、ターゲットから外れる可能性がありますので、それはぜひ続けていただきたいと思います」
鈴江キャスター
「そして、警察庁は身元のはっきり分からない訪問者に対しては、注意するよう呼びかけています」
「一つ、実例を挙げて説明します。戸建てに住む、スタッフの70代の家族に不審な訪問者があったそうです。家の近くに建築工事現場があったそうなのですが、そこの関係者を名乗る男性が訪ねてきて、『工事中に見えたが、お宅の屋根がだいぶ傷んでいる。直しますよ』と言ってきたそうです。『結構です』と断ると、男性は、近くに止まっていた車に乗って立ち去ったといいます。その車には他に2人乗っていたそうです」
「その後、本物の工事関係者に『そういうこと、やっていますか?』と聞くと、『そんなこと絶対ない』と言われたといいます。そこで、近所の人々に『注意してね』と話したということです。捜査関係者によると、こうした例は悪質リフォーム業者かもしれないし、強盗の下見・情報収集かもしれないといいます。桜井さん、今回の一連の対応はどうでしょうか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「素晴らしい対応だと思います。ちゃんと本物の業者に確認している点が二重丸です。ただ、断り方は『結構です』ではなくて『うちは必要ありません』ときっぱり断っていただきたいと思います。そして、こうした不審な訪問者があったた場合は、警察に連絡をしていただきたい。その場合は110番でいいと思います。そうすると警察がすぐ来てくれますし、その地域のパトロールも強化してくれます。こういった事案があった場合には警察に通報していただきたいと思います」
鈴江キャスター
「不審者が来たと思った時点で、警察に情報提供した方がいいということですね」
防犯アナリスト・桜井さん
「この場合、ご近所の人へ注意喚起している点も本当に素晴らしいですね」
鈴江キャスター
「車のことも気になります。ピンポーンと訪問してこなくても、周辺をウロウロしていることもあると思います。不審車両を見分けるポイントというのはありますか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「あります。前後のナンバーが違う車というのが結構目撃されています。この場合は、即通報をしていただきたいです。あとは、『わ』『れ』ナンバーのレンタカー。それに加えて『他地域ナンバー』、ご自分が住んでいる地域外のナンバーを見かけたら、それは不審車両かもしれません。あとは、『複数人乗っている』『普段はないのに、最近、あそこに車が止まっているな』とか、『最近、見かけない車がグルグルこの辺を走っているな』などがある場合です。これら『レンタカー』『複数乗っている』『普段いないところに停車・ぐるぐる回る』の全部がそろえば、110番通報していただけたらと思います」
鈴江キャスター
「そろった時点で不審車両と思われるということなんですね」
鈴江キャスター
「『地域の方々とのコミュニケーションも大切』だということですが、それはどういう意味でしょうか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「地域で不審者、不審車両情報を共有していただきたいんです。不審者に関しては、ご自分の目と勘を信じていただきたい。不審車両は、先ほどの情報を思い出し、その情報を共有する。それを見かけたら110番通報する。通報するとすぐにパトカーが来てくれますから、そういった対応をしていただきたい」
「そして、犯罪者というのは、顔を見て声をかけられるのを一番嫌がるんです。なので、もし不審者を見かけたら、顔を見て『どうも』と会釈するだけもいいので、顔を見て声をかけていただきたいと思います」
鈴江キャスター
「会釈することが(犯罪を)抑止することにつながるのですか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「そうです。そういったことを地域の人全員でやると、“ここは、防犯意識の高い地域だな”ということで、その地域全体がターゲットから外れることになります。なので、ぜひ地域全体でそういうことをやっていただきたいと思います」
山崎誠アナウンサー
「そもそも、どういった家が狙われやすいのでしょうか?」
防犯アナリスト・桜井さん
「やはり、高齢者世帯、女性世帯、あと敷地の中が見えにくく、さらに敷地の中が暗い家ですね。あとは、既に情報を取られているということもあると思いますが、犯罪が起きやすい場所は地域全体が暗いんですよ。そういう地域は防犯カメラがなかったり、少なかったり、犯罪者にとって都合のいい地域になっていますので、そういったところが狙われていると思います」