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【解説】新型コロナ再び増加傾向 一方、熱中症対策も…マスク着用を迷う時は?

2022年7月5日 21:04
【解説】新型コロナ再び増加傾向 一方、熱中症対策も…マスク着用を迷う時は?

新型コロナウイルスが感染拡大傾向にありますが、熱中症も心配な中、場面に応じてマスクを外しているかどうか、実態調査が行われました。

「各地でクラスター」

「マスク外して大丈夫?」

「適切な使い方は」

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■感染者数が増加傾向…各地でクラスターも

4日、各地でクラスターの発生が報告されました。

千葉市では高齢者向け住宅で、利用者と職員あわせて7人の集団感染が確認されました。茨城県では、県内の高校であわせて7人の生徒のクラスターが発生したということです。また、鹿児島県でも薩摩川内市の医療機関で23人の感染が確認されるなどしています。

4日は、全国で1万6808人の感染が確認されました。先月27日と比べて7000人以上の増加です。

■熱中症対策とマスク 屋外では…

感染者が増加している中、気にしている人も多いのがマスクの着用です。

先週、厚生労働省の専門家会議後の会見で、厚労省アドバイザリーボードの脇田隆字座長は「感染者の増加が、マスクが原因という議論はない」と話しました。「夏になってマスクを外す人が増えたから、感染者が増加したという考え方はない」ということです。

改めて国が示しているマスクが必要な場面と、そうでない場面をそれぞれ確認していきます。

屋外でマスク着用が推奨されるのは、会話をするけれど相手との距離が確保できない場合です。距離の目安は2メートルです。

一方、マスクが必要ないのは、相手との距離が確保できる場合です。会話があっても距離があれば、マスクは外していいということです。例えば、「公園での散歩」や「ランニング」では、マスクの着用は必要ありません。

そして、距離が十分に確保できなくても、会話が少ない場合は必要ありません。例えば、通勤、通学で徒歩や自転車で移動する場合、人とすれ違うけれど話さないといった場合は、外していいということです。

■熱中症対策とマスク 屋内では…

次に屋内のケースを確認します。

マスクが必要ないのは、距離が確保できて会話がほとんどない場合だけです。例えば、図書館で読書する時は、外していいということになります。それ以外の公共交通機関を利用する場合などは、マスク着用が推奨されています。

お店によってルールを設けている場合もあるので、着けたり外したりの判断に迷っている人も多いと思います。では、街の人がどうしているのか、5日、東京・錦糸公園で聞いてみました。

30代
「子供も(マスクが)習慣化しちゃっているので、言わないと外さなかったりするから、危ない時は言って外させたり」

50代
「近所の方とたまたま会ったりして話す機会があるので、そういった時は…(マスクを)上に上げられるように」

30代
「気持ち的にやっぱり周りがしていると外しにくい」

60代
「高齢なので、『うつったら』と思うと外さないです、暑くても」

■親子のマスク着用状況を調査 「子供に外させるのが難しい」との人も

マスク生活がはじまって、2年半近くがたちました。

マスク着用に変化はあるのか、教育事業を展開する会社が先月、調査を実施しました。全国の小中学生、高校生の子供をもつ保護者を対象としたもので「マスクを場面に応じて外していますか」と質問しています。

最も多かったのは、いずれも36.5%をしめた次の2つの回答でした。

「親子ともに場面に応じて外すことがある」

「まだ親子とも着けている」

つまり、「基本的に外さない」という答えが、同率1位となりました。

そして、22.6%は「子供は外すことがあるが保護者は着けている」という答えでした。

「子供にマスクを外させるのが難しい」と感じている人も多いようで、その理由として次のような声が上がっていました。

「(子供が)物心ついたころからマスクを着けた生活で、着けることが『当たり前』と思ってしまう」

「子供は学校でマスクを徹底させられ、『していないと怒られる』という認識があり、外でも外さない」

■マスク着用を迷う時は… 専門家「飛まつを外に出さないこと」

感染が拡大している今の状況で、どう過ごしたらいいのか、厚労省の専門家会議に出席し、マスク着用についての提言をまとめた1人でもある国際医療福祉大学医学部・公衆衛生学の和田耕治教授に聞きました。

和田教授は「マスクの一番の目的は、自分の飛まつを外に出さないこと」とした上で、今は「症状がある人が、いかに人に感染させないかが重要になっている」としています。

例えば、小学生が登校する際にマスクを外して行かせて良いのか、聞いてみたところ、「地域の感染状況にもよるが、原則、屋外なのでマスクを外して登校しても良い。ただ、学校に着いたら、すぐマスクを着けられるよう持参することを忘れないように」ということでした。

また、電車に1人で乗っていて会話をしない場合はどうなのかも聞いたところ、「誰もしゃべっていなければマスクは必要ないという考えもあるが、今の状況を総合的にみると着けておくことが望ましい」と話していました。

    ◇

再び新型コロナの感染者が増加傾向にありますが、一方で、厳しい暑さの中でのマスク着用は不快感もあります。和田教授も、大前提として「咳、喉の痛み、発熱などの症状がある場合は人に会わないことを徹底するなど、いかに人にうつさないように考えて行動することが重要」と話しています。

(2022年7月5日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)