住宅街の川が“滝”に 住民は“ごう音で眠れない” 群馬県は問題を2年放置
群馬県前橋市の住宅街を流れる川が滝のような状態になり、住民が困惑する事態になっています。住民からは「水の音で夜も眠れない」という不満の声も上がっています。
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すさまじい勢いで流れ落ちる大量の水。ごう音が昼夜を問わず響き渡っていました。実際に音量を測ってみると、80デシベルを超えていました。この数値は、ゲームセンター店内の音の大きさに相当します。
近所の住民
「“夜も眠れない”とか、なんとかっていう人もいますよね」
近所の住民
「水の音とか聞こえるので、(夜寝るとき)ずっとイヤホンつけている」
まるで滝のような騒音に、住民の不満が滝のように噴出しています。
現場は、群馬県前橋市の閑静な住宅街を流れる広瀬川です。日本の農業を支えてきた代表的な用水を選定する農林水産省の「疏水百選」に選ばれた地域のシンボルです。本来なら穏やかなはずの広瀬川が、ごう音を生み出すやっかいな存在へと豹変しました。
しかも、この現象は今に始まったことではないのです。近くに住む人が去年の4月に撮影したという川の映像は…
近所に住む大学生
「これは去年の4月頃、撮影しました。本当に滝なんで、それが家の近くにあるのが衝撃」
その原因は、現場の上流に位置する県の水力発電所です。実は2年前、定期点検中に起こった人為的な作業ミスで制御装置などが故障し、発電所の稼働を停止しました。水門を閉鎖した結果、迂回(うかい)水路に大量の水が流れ込み、騒音が発生したということです。
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なぜ群馬県は2年もの間、問題を放置してきたのでしょうか。31日、山本知事は会見を行いました。
群馬県 山本一太知事
「令和3年(去年)8月に再稼働に向けた発電所の改修工事の入札を行いましたが、これが“不調”となって現在に至っている」
山本知事は修理業者の入札が不調に終わったため、手つかずの状態のままにしていたと説明しました。
群馬県 山本一太知事
「プロセス(騒音発生の過程)が私にあがっていなかったのが、これは我々の“ミス”だと思っているので」
報告の課程でもミスがあったことを謝罪し、県は今後、水流をカバーで覆うなど騒音対策を進めるとしています。