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厚労省の研究会「働き方改革」で提案 仕事と育児・介護の両立を目指す 企業の取り組みは?

2023年5月30日 18:03
厚労省の研究会「働き方改革」で提案 仕事と育児・介護の両立を目指す 企業の取り組みは?

仕事と育児・介護の両立について、30日に厚生労働省の研究会で報告書案が示されました。子どもが3歳になるまでは、社員が希望すればテレワークを選べる制度を企業の努力義務とすることなどが提案されています。また、介護についても同様に働き方の選択ができるよう提案しています。先駆けて「働き方改革」に取り組み、個人の事情を尊重する働き方を制度化した会社を取材しました。

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都内の会社に勤める森信一郎さんは、自宅からテレワークをしていて、現在、出社は月1回程度です。午後5時前、仕事を終えた森さんが向かったのは、2歳と0歳の子どもの保育園のお迎えです。日中、妻が仕事でいないことが多いため、保育園の送迎をしやすいようにテレワークを選択しました。

仕事を終えた40分後には、お迎えが済み、食事の準備ができる状態に。森さんは「通勤で(時間を)とられないのは本当にありがたくて、例えば、お昼に炊飯器セットしたり、子育てと仕事もしながらなので、ちょっとした隙間で家事ができる」と話しました。

森さんの勤める会社、サイボウズは「100人100通りの働き方」をテーマに掲げ、子育てや介護など、社員全員が個人の事情に応じて勤務時間や場所を選べる制度を導入しています。

森さんの働き方について、同僚は「常時コミュニケーションがとれているので、普通の働き方と変わらない」と話します。個人の事情を尊重する働き方を会社が制度化することで、同僚の間でも互いの理解が進んだといいます。

同僚
「子育てをしている人に限らず、全てのメンバー・同僚が働く環境、時間や場所を選択できている。自分に何かあったときも助けてもらえる関係性が築けている。すごく平等だなと」

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こうした仕事と育児の両立について、30日に厚生労働省の研究会で報告書案が示されました。子どもが3歳になるまでは、社員が希望すればテレワークを選べる制度を企業の努力義務とすることなどが提案されています。就業時間中は子どもを保育所などに預けることを前提としていて、その上でテレワークを行いやすい環境を作ることで、子どもの送迎などがあっても勤務時間を短縮せずにすむなど、育児と仕事の両立を目指すものです。

だれもが気兼ねなく自分の働き方を選択できる取り組み。30日に示された報告書案では育児だけでなく、介護についても同様に働き方の選択ができるよう提案しています。

会社員 森信一郎さん
「今この人生のタイミングで『こういう働き方しよう』と選べている。(働き方の)選択肢が増えるのは、とてもいいことかなと」

企業には、より個人の事情に合わせ働き方を柔軟に選べる環境作りが求められています。