【水害から身を守る】八ッ場ダム 下流に全国で2番目に長い利根川 長さゆえ注意するポイントとは
川やダムの特徴を知って水害から身を守るシリーズ。今回は八ッ場ダムです。ダムの下流には全国で2番目に長い、利根川が流れますが、この長さゆえに注意するポイントがあります。
群馬県長野原町。利根川の支流、吾妻川にある八ッ場ダム。
記録的に雨が少なかったこの冬。八ッ場ダムは関東平野を流れる利根川の水位を維持するため放流を続けていました。
総貯水量は東京ドーム73個分およそ9000万トンにのぼります。
飲み水の確保だけにとどまらず関東平野の洪水対策の1つとして造られた八ッ場ダム。
計画から完成まで68年の年月を要しました。
途中、政権交代によって誕生した当時の民主党政権の「コンクリートから人へ」の政策のもと工事が中断したこともありました。
そんな八ッ場ダムが注目されたのは完成直前の2019年10月。東日本を縦断した台風19号の時です。
この時の大雨で当時、試験貯水中の八ッ場ダムはみるみる水位があがり、茶色く濁った水で満水となったのです
国は八ッ場ダムを含む7つのダムによって下流の利根川で水位の上昇をおよそ1メートル抑える効果があったとしています。
こうしたダムを含めた水害対策が進められる中、下流域で注意が必要なのが「時間差増水」です。
国交省八ッ場ダム管理支所 高橋征士支所長
「(ダムから放流された水は)下流には30時間ほどかけて到達する。上流に大雨が降って時間差ができた状態で川の水が増える場合もあります」
急激に水位があがる都市部の中小河川と異なる大河川の注意点を知って備えることが大切です。