“ハリー・ポッターの剣”回収…銃刀法違反の可能性 銃や剣のレプリカ、法律違反の基準は?
映画「ハリー・ポッター」に登場する魔法の剣。販売されていた剣のレプリカが突然、回収されることになりました。銃刀法違反にあたる可能性があるということです。
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去年、都内に誕生した映画「ハリー・ポッター」の世界が再現された施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」。
本物さながらのセットを歩けたり、魔法魔術の授業を受けられたり、販売されている本格的なグッズも見どころです。
そんな中、26日に公式サイトに1枚の画像とともにアップされた知らせには…
「ワーナー ブラザース スタジオジャパン」ホームページより
「この度、弊社が販売いたしました以下の商品につきまして、販売上の懸念点を認識するに至りましたので、商品を回収させていただくこととなりました」
施設で販売されていたグッズ「ゴドリック・グリフィンドールの剣」の回収を行うと発表しました。
銀色に輝くこの剣は、映画の中で主人公のハリーたちが闇の魔法使いを倒すために使われる武器のレプリカなのですが、27日、施設を訪れたファンはグッズの回収を知り…
20代
「すごいリアルで、映画の中からそのまま出てきたようなグッズだったので、あれを手に入れたら興奮するだろうなと思って。残念ではあるけど、また別の形でかっこいいグッズを。劇中に出てくるグッズって、ファンもうれしいものなので」
20代
「(商品を)出すときに弁護士やら何やらで、判断できなかったのかなって。もし自分が買って持っていたら嫌だなって思います」
“販売上の懸念点”と書かれた回収の理由は…
「ワーナー ブラザース スタジオジャパン」ホームページより
「警察から『法令により所持が禁止されている刀剣類に該当する』との指摘がありました」
つまり、グリフィンドールの剣に、鋭利な部分があることなどから“銃刀法違反”に該当する疑いがあるというのです。
長さは、約86センチ。お値段3万円で351本が販売されたという、今回“銃刀法違反”の可能性があるグリフィンドールの剣。(※現在は販売していません)
刑事事件に詳しい弁護士に、銃刀法違反の基準について聞きました。
ヴィクトワール法律事務所 加藤隆太郎弁護士
「ある程度、殺傷能力があるもの、それが問題になってきます。金属でできていて、端的にいえば先端がとがっている。それが1つの刃物であったり、剣の1つの概念になりうる。剣は両方に刃があるということで殺傷能力が高い」
ファンからはこんな意見も…。
当該商品未購入 20代
「(もし自分が持っていたら)持ち歩くわけじゃないので返さないと思う。家に置いておけばいいのかなって」
外に持ち出さなければいいのでは…ということなのでしょうか?
ヴィクトワール法律事務所 加藤隆太郎弁護士
「例えば家で持っている場合は、刃物というものを外され、刀や剣が(銃刀法違反の)対象になるんですね。持っているだけで処罰される」
要するに、剣は持ち出す、持ち出さないに限らず、所持している時点で“銃刀法違反”になるというのです。たとえ“おもちゃ”の刃物でも…
ヴィクトワール法律事務所 加藤隆太郎弁護士
「法律違反になるとは『知らなかった』は通用しません。今回のものは、剣とみなされうるのであれば、それは持っているだけで処罰対象になりますので、自主的にこの回収に応じて返金を受けるという形でよろしいのでは」
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剣の回収は警察が行い、返金対応をするということです。
(問い合わせ先:050-6862-3676)